SOLIDWORKS WORLD JAPAN 2018
バリアを壊すモノづくりに挑戦、「WHILL」が目指すパーソナルモビリティの未来(1/3 ページ)
「SOLIDWORKS WORLD JAPAN 2018」(東京会場)のユーザー事例講演に、WHILL 車両開発部 部長の平田泰大氏が登壇。「バリアを壊すものづくり ~パーソナルモビリティは身体拡張デバイスへ~」をテーマに、WHILLのこれまでの歩み、現在、そしてこれからについて語った。
「自分たちを電動車いすの会社だと思ってプロダクト開発しているわけではなく、“全ての人の移動を楽しく、スマートにすること”を使命にパーソナルモビリティの開発に取り組んでいる」
そう語るのは、パーソナルモビリティ「WHILL(ウィル)」を手掛けるWHILL 車両開発部 部長の平田泰大氏だ。同氏は2018年11月9日開催の「SOLIDWORKS WORLD JAPAN 2018」(主催:ソリッドワークス・ジャパン/東京会場)のユーザー事例講演に登壇し、「バリアを壊すものづくり ~パーソナルモビリティは身体拡張デバイスへ~」をテーマに、WHILLのこれまでの歩み、現在、そしてこれからについて紹介した(関連記事:余った外貨を電子マネーに! 「ポケットチェンジ」の筐体設計を支える町工場)。
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2011年の東京モーターショーでの初披露から現在までの歩み
あらゆる人々のスマートな移動手段としてパーソナルモビリティの可能性を追求するWHILLだが、その創業のきっかけは創業メンバーの1人が既存の車いすの不便さ、具体的には「100m先のコンビニに行くのを諦めている」という言葉に出会ったことに始まるという。
平田氏は「既存の車いすの不便さ、そうしたさまざまな制約を生み出すバリアには『精神的なバリア』と『物理的なバリア』の2つがある」と述べる。
精神的なバリアとは、そもそも車いすに乗っているだけで何か障害を抱えているという目で見られ、出掛ける気がそがれてしまうという精神面での障壁を指す。そして、物理的なバリアは泥道/砂利道、踏切、段差、坂道といった生活環境における障壁を意味する。この2つのバリアを、ハードウェア/ソフトウェア技術など、“あらゆる手段を用いて壊してやろう”という思いが、WHILL開発の出発点となったそうだ。
WHILLの最初のモデルがお披露目されたのは2011年開催の東京モーターショーだ。この当時は従来の車いすにアタッチメントを取り付けることで電動化を実現するコンセプトを提案。しかし、実際に作ってみて課題もたくさん見えてきたという。「もちろん走行はできたが、横幅が大きくなり過ぎてしまうなど、実用化する上でのさまざまな課題に気が付いた」(平田氏)
そこからWHILLはさらに進化する。2013年初頭に3輪タイプのパーソナルモビリティとしてWHILLをブラッシュアップ。この時初めて現行のWHILLの代名詞といえる「オムニホイール」を採用する。この開発で、「最初のモデルで感じた課題を一段壊すことができ、よりコンパクトで乗りやすいものが作れた」(平田氏)というが、3輪タイプだと溝にハマるとうまく出られないという新たな課題が見えた。
その後、WHILLの開発は一気に加速し、4輪タイプで四輪駆動のフラグシップモデル「WHILL Model A」を2014年に開発。さらに手ごろな価格で、より多くの人が乗れるモビリティを作りたいと考え、普及モデル「WHILL Model C」を2017年に販売するに至った。ちなみにWHILL Model Aの販売価格は95万円、WHILL Model Cは45万円となっている。
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