Design to Manufacture
設計・製造プロセスにおける情報伝達性を最大限に高める「SOLIDWORKS 2019」(2/3 ページ)
強化ポイント2:機能の深化
機能の深化を象徴する強化ポイントとして紹介されたのが「トポロジー最適化(位相最適化)」だ。トポロジー最適化機能(トポロジースタディー)はSOLIDWORKS 2018から搭載しており、「SOLIDWORKS Simulation Professional/Premium」で利用できる。
SOLIDWORKS 2019では、従来対応していた応力制約からの形状生成に加え、固有値制約からの形状生成に対応。さらにトポロジー最適化の結果をメッシュボディーに直接保存でき、CAD上でモデリングを継続できるようになった。「これまでは単一の要件で形状検討していたが、新バージョンでは複数要件から形状を検討できるようになった。設計要件を満たしながら材料費の削減や部品の軽量化に取り組むことができ、トポロジー最適化の結果形状を下流工程に引き渡して活用できる」(田口氏)
トポロジー最適化の結果、得られたメッシュボディーからSOLIDWORKS CADのジオメトリ(ソリッドデータ)を作成する(CAD上でモデリングを開始する)プロセスもSOLIDWORKS 2019で洗練されている。まず、SOLIDWORKS CAD上にメッシュボディーをインポートして、参照平面とボディーの交線を複数作成し、サーフェス機能のロフトで断面をつなげることで、ジオメトリが作成される。「SOLIDWORKS CADのジオメトリとして作成された後は、そこに材料やフィーチャーなどさまざまな情報を付加できる。そうすることで“Design to Manufacture”の意味する、それ以降の下流工程にこの情報をつなげることが可能となる」と田口氏は述べる。
ちなみに、トポロジー最適化の機能強化やメッシュボディーからソリッドデータを生成する機能(メッシュスライシング)に関しては、米国カリフォルニア州ロサンゼルスで開催した年次ユーザーイベント「SOLIDWORKS World 2018」(会期:米国時間2018年2月4日~2月7日)の檀上でも紹介されていた。
その他、機能の深化として紹介されたのが、日本のユーザーからの要望が多い図面機能の強化だ。SOLIDWORKS 2019では、公差補助記号の設定に対応した他、従来手間のかかっていた回転図示断面図を素早く、ワンクリックで作成できるようになった。
また、これまで3Dモデルを変更するとそれにひも付く図面が全て一気に更新されていたため、複雑な図面だと多くの更新時間を要していた。これに対して新バージョンでは、任意の図面ビューにて部分更新が可能となり、複雑な図面の更新に関する使い勝手が向上し、図面作成工数の削減が期待できるという。
強化ポイント3:ポートフォリオの活用
ポートフォリオの活用に関しては、CAD以外の強化ポイントを紹介。SOLIDWORKS 2019では、設計コミュニケーションツールの「SOLIDWORKS eDrawings」による3次元情報の共有に関する機能も強化されている。今回、対応フォーマットに「Parasolid」「Solid Edge」「ACIS」「JT」「NX」を新たに追加。さらにコンフィギュレーションを持つSOLIDWORKSのネイティブデータを「eDrawings Viewer」から直接読み込めるようになった。「従来はコンフィギュレーションを持ったSOLIDWORKSのネイティブデータをeDrawings形式に一度落としてから、そのeDrawingsデータをeDrawings Viewerで見に行くという手順が必要だった」(田口氏)
そして、大きな強化ポイントとして紹介されたのが、eDrawingsから3D HTML形式でデータを保存できるようになった点だ。ユーザーはeDrawingsやeDrawingsのプラグインなしに、Webブラウザから3Dデータを参照できるようになった。「これにより、Webブラウザさえあれば、どんなロースペックのマシンからも3Dデータが閲覧可能となり、広範な情報共有が実現できる。これも“Design to Manufacture”を実現する上で欠かせない構成要素の1つである」と田口氏は説明する。その他、大規模アセンブリモデルの表示パフォーマンスも向上しているとのことだ。
ポートフォリオの活用については、eDrawingsの他にも「Flow Simulation」「Plastics」「Electrical」など、数多くの製品が機能強化を果たしている。気になった点としては、レンダリングツール「SOLIDWORKS Visualize」の強化だ。こちらもSOLIDWORKS World 2018で紹介されていたが、NVIDIAのGPUを活用してレンダリング速度を従来比で10倍高速化し、かつ機械学習によって最適なノイズ除去を実現する「DeNoiser(デノイザー)」を搭載した。
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