Design to Manufacture
設計・製造プロセスにおける情報伝達性を最大限に高める「SOLIDWORKS 2019」(3/3 ページ)
強化ポイント4:イノベーション
イノベーションに関する機能強化についても、SOLIDWORKS World 2018で紹介のあったものが多数含まれていた。
SOLIDWORKS CADでは、新バージョンからタッチデバイスを利用した設計がさらに強化されている(タッチ対応に関しては、SOLIDWORKS 2018から強化を進めている)。その1つが、「Microsoft Surface Dial」の対応だ。このホイール型入力デバイスを活用することで、ズーム、パン、回転といったモデルの操作がスムーズに行える。
また、「Microsoft Surface」に搭載されるタッチペンなどを使用した手描きスケッチからスプライン曲線やスロット(角が丸い四角形)を生成する機能が強化された。その他、手描きでの寸法入力やタッチ操作による合致および部品移動にも対応した。
さらに、タッチデバイスによる自由度の高い設計意図の共有を目的とした「3Dマークアップ機能」を搭載。タッチペンによる手書きの注記などを3Dデータ上に残すことができ、CAD上での確認はもちろん、PDFや画像ファイルなどで設計意図の共有が可能となる。なお、ここで紹介した機能の幾つかは「Windows 10 Creators Update<バージョン 1703以上>」環境が必要となる。
イノベーションを象徴する機能として注目なのは、VR/ARの活用を視野に入れた「SOLIDWORKS Extended Reality(XR)」だ。今回からeDrawingsでもVR対応が可能となった(eDrawings Direct VR)。また、SOLIDWORKS CADから3Dデータフォーマット「glTF(GL Transmission Format)」への書き出しをサポート(Extended Reality Exporter)、VR/AR対応は通常データ変換の手間が掛かるがその負荷が大幅に軽減される。形状情報の他、各種プロパティーなどを含めた形でglTFにエクスポートされ、さまざまな没入型デバイスに対応可能だという。
ちなみに、SOLIDWORKS World 2018のタイミングでは、SOLIDWORKSで設計したCADモデルをglTFへ書き出すことができるアドインとして「SOLIDWORKS Xtended Reality Toolkit」の名前でその存在が明かされていた。SOLIDWORKS World 2018の会場では、Metaが開発するARヘッドセット「Meta 2」を用いて、ハンドジェスチャーでAR空間上に配置された3Dモデルを操作するデモンストレーションが披露された。エクスポートされたglTFには、「表示ステータス」「材質/色」「アニメーション(分解ビュワーアニメーション、モーションスタディーなど)」「3Dモデル階層」が保持されるとしていた(関連記事:SOLIDWORKSのCADデータをAR空間で、新アドイン「SOLIDWORKS Xtended Reality」)。
機械加工者向けバンドル製品「SOLIDWORKS Machinist」
さらに、SOLIDWORKS 2019から機械加工者向けバンドル製品として「SOLIDWORKS Machinist」を追加。機械加工プログラムの作成に必要な機能に絞り込んだ構成で、SOLIDWORKS Standardの部品機能とSOLIDWORKS CAM Standardで構成される「SOLIDWORKS Machinist Standard」、SOLIDWORKS Machinist Standardの機能にSOLIDWORKS Standardのアセンブリ機能とSOLIDWORKS CAM Professionalを追加した「SOLIDWORKS Machinist Professional」を展開する。
また、SOLIDWORKS 2019のリリースに併せて、期間限定で特別価格の「設計・製造パッケージ」の販売も行う。
なお、SOLIDWORKS World 2018で開発進捗が披露されたWebブラウザベースの設計ツール「SOLIDWORKS xDesign」に関して気になっている方も多いと思われるが、今回日本向けに正式なアナウンスはなく、「より詳細な最新状況は次回『SOLIDWORKS WORLD 2019』(米国テキサス州ダラスで開催)で発表があるだろう」(同社)という。また、SOLIDWORKS PDM Professionalのファイル管理機能を活用したデータ管理ツール「SOLIDWORKS Manage」の日本での提供開始についても現状未定とのことだ。
設立20周年を迎えるソリッドワークス・ジャパン
ソリッドワークス・ジャパンが設立されたのは1998年のことで、今年(2018年)で20年が経過。幅広い業種において順調にユーザー数を伸ばし、国内で高いシェアを誇るという。
「創業当時からSOLIDWORKSの“使いやすさ”にこだわって、われわれは製品開発を進めてきた。メーカーの独りよがりな開発ではなく、ユーザーニーズをキャッチアップして、常に新しいバージョンにそれを取り入れてきた。最新のSOLIDWORKS 2019では設計のプロフェッショナルの方々が、さまざまな場面でコラボレーションできるような最新機能を盛り込んでいる。さらに、CADを含む全てのポートフォリオ(SOLIDWORKS製品群)で広がりを感じていただけるものに仕上がっている」とソリッドワークス・ジャパン 執行役員の山崎究氏は述べる。
◎併せて読みたいお薦めホワイトペーパー:
» 設計現場の56.5%が3D CADを活用、2次元からの「移行予定なし」も16.7%
» デキるエンジニアのCAD 設計
» オープンソースの無償3D CAD「FreeCAD」の機能まとめ
» いまさら聞けない金型設計「量産設計の基礎」
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
製品/サービス(メカ設計)
「3D CAD」「CAE」「3Dプリンタ」「3Dスキャナー」「AR/VRシステム」「設計者向けハードウェア環境」など、メカ設計業務に不可欠な製品・サービスに関する最新情報をお届けします。
この記事の著者
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社 Green AI] AIで脱炭素計画を最適化、初年度からエネルギーコストとCO2を削減する方法 -
市場調査・トレンド
[スマートジャパン編集部] 「ペロブスカイト太陽電池」の普及戦略が公表 政府が目指すコスト・導入量のロードマップを解説 -
市場調査・トレンド
[スマートジャパン編集部] 導入が加速する再エネ・系統向け蓄電システム コスト・収益性の現状分析 -
技術文書・技術解説
[スマートジャパン編集部] いまさら聞けない「ペロブスカイト太陽電池」の基礎知識と政策動向 -
技術文書・技術解説
[スマートジャパン編集部] 「ペロブスカイト太陽電池」の開発動向、日本の投資戦略やコスト目標の見通しは?
関連記事
こんなメディアも見られています
TechFactoryに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
特集
- マテリアルズ・インフォマティクスの動向調査
- 研究・開発職のデジタル活用調査
- 設計・解析業務におけるAI活用
- 3Dプリンタ利用動向調査
- CAD利用動向調査
- つながる工場の現状と課題
- 製造業におけるAI開発および活用の実態
- 設計・製造現場における品質管理
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
EE Times Japan×EDN Japan 統合電子版:フィジカルAIが生み出す新たな「設計思想」――電子版2026年8月号
-
2
半導体装置メーカー 業績まとめ【2027年3月期第1四半期】
-
3
新入社員に読んで欲しい鉄鋼材料の基礎知識まとめ(Part4)
-
4
一時は時価総額トヨタ超え キオクシア2026年度の動向
-
5
微細配線間の絶縁劣化をどう捉える? 先端パッケージ評価の最前線
-
6
新入社員に読んで欲しい鉄鋼材料の基礎知識まとめ(Part1)
-
7
EE Times Japan×EDN Japan 統合電子版:2026年上半期の半導体業界を振り返る――電子版2026年7月号
-
8
新入社員に読んで欲しい鉄鋼材料の基礎知識まとめ(Part3)
-
9
CADツールの見直しは本当に必要? 切り替えの理由と効果を7つの質問で検証
-
10
新入社員に読んで欲しい鉄鋼材料の基礎知識まとめ(Part2)
TechFactory SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechFactoryをフォロー