物流ロボットシステム
AI搭載ロボットによる次世代型物流倉庫――歩行作業を大幅軽減し、省人化を実現(1/3 ページ)
協栄産業は、千葉県印西市にあるプロロジスパーク千葉ニュータウンで、AI機能搭載の無人搬送ロボット「EVE」(ギークプラス製)を用いた「物流ロボットシステム」の見学会を開催した。フルフィルメントプロバイダーであるアッカ・インターナショナルのピッキングエリアで実際に稼働しているロボットを活用したピッキングシステムの様子を紹介する。
30台のAI搭載ロボットが物流倉庫に変革を起こす
エレクトロニクス関連商社の協栄産業は2018年7月17~18日の2日間、プロロジスパーク千葉ニュータウンで、AI機能搭載の無人搬送ロボット「EVE(イブ)」(ギークプラス製)を用いた物流ロボットシステムの見学会を開催した。
プロロジスパーク千葉ニュータウン(運営:プロロジス)は、千葉県印西市にあるマルチテナント型の物流施設(2016年5月完成)。見学会では2017年8月からEVEを活用したピッキング業務などを開始している、フルフィルメントプロバイダーのアッカ・インターナショナルの物流倉庫におけるロボット活用の様子を見ることができた。
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アッカ・インターナショナルのピッキングエリア(入荷、出荷、棚卸しを行うエリア)では、現在800坪のスペースに、最大積載荷重500kgのロボット「EVE500」を30台、ピッキングラック(幅88×奥行き88×高さ240cm)を785棚、ロボット用充電器3台を導入。作業者がピッキングを行うワーキングステーションを4箇所設け、在庫保管棚エリアには、通常時で9000SKU(Stock Keeping Unit)、ピース数で7万8000点もの商品を保管する。
ロボット活用でピッキング作業の大幅な省力化が可能に
作業者がオペレーションを行うワーキングステーションは、PC、タッチパネルディスプレイ、バーコードスキャナー、オリコン(折り畳みコンテナ)の入った間口で構成され、DAS(Digital Assort System)が稼働する。作業者は、従来のように倉庫内を歩き回ってピッキングをする必要はなく、ロボットがワーキングステーションにピッキングラックを持ってきてくれるため、大幅な効率化(歩行作業の削減)が図れる。実際、通常の歩行作業にかかる時間の70~80%を削減できるという。
作業者は、自身のユーザーIDとパスワードを入力して、「出荷」「入荷」「棚卸し」から業務を選択。例えば、出荷を選択すればワーキングステーションが出荷用のステーションとして機能する。アッカ・インターナショナルでは、4つあるワーキングステーションのうち真ん中の2つを出荷用に使用しており、残り2つは入荷あるいは波動(業務量の上下落)に合わせて柔軟に業務を切り替えて運用している。
注文および在庫データをWMS(Warehouse Management System:倉庫管理システム)から受け取り、ロボットが該当するピッキングラックを作業員のいるワーキングステーションへ自動運搬。出荷や入荷のデータは随時WMS側へ更新し、常に最新かつ正確な状態が保たれる。ちなみに、WMSとWCS(Warehouse Control System:設備制御システム)とのシステム連携は、協栄産業が担当している。
出荷の場合は、タッチパネルディスプレイ上に、該当商品のSKU情報とその商品がロボットの運んできたピッキングラックのどこにあるかの情報が表示されるので、作業者はそれを見てピッキングラックの間口から商品を取り出し、バーコードスキャナーでスキャン。その商品が正しければ、LEDランプが点灯するDAS間口のオリコンに商品を入れる。ピッキングラックの間口の中はフリーロケーションで、複数SKU、複数荷主の商品が混在するが、どこの何を取り、それをどこに入れるのかが全て可視化されているため、ミスなく適切にピッキングリストにある該当商品を処理することができる。ピッキングラックから該当商品を取り切ると、ロボットがピッキングラックを在庫保管棚エリアに戻しに行く(そして、待機していた次のピッキングラックが作業者の目の前に移動してくる)。
このシステムを導入する前までは、荷主であるビルケンシュトックとデッカーズのピッキング業務を行うのに10~15人ほどの人員が必要だったという。その当時のピッキング効率は1時間当たり40~60ピースほどだったが、システム導入後は同180~250ピースまで処理できるようになり、大幅な省力化が可能になった。
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