設計・製造現場を変革する3D CAD/3Dデータ活用(7)
3D CAD導入による「効果」を実感できるのはいつか?(2/2 ページ)
3D CAD導入効果を実感できるのはいつか?
3D CAD導入となると、「短期的にその効果が出る」と思われていることがほとんどのようですが、筆者のような個別受注の産業機械業界では、3D CADそのもので短期的に効果を得ることは容易ではありません。「CAE(Computer Aided Engineering)」による構造解析などのシミュレーションを設計検証に用いることで、瞬間的な経済効果を得る場合もあるかもしれませんが、これもまれであると筆者は考えます。
3D CADの導入立ち上げ時期には、新規にハードウェア/ソフトウェアの購入費用、保守費用が必要となります。また3D CADのオペレーション教育やCAD管理者教育をベンダーにお願いする場合に、費用が別途生じることがあります。さらに3D CAD導入時期の3D CADによる設計作業効率は、それまでに使用していた設計ツールに比べれば一時的に低くなることがあるので、工数は増加傾向にあります。経年的に3D CADによる成果としてのQCD(Quality[品質]、Cost[費用]、Delivery[納期])が向上することにより、3D CAD導入効果を実感することになります。このことからも、3D CAD導入というものは、投資対効果に当たると筆者は考えます。
効果を金額に換算できるもの
PDCAプランにも効果測定がありますが、この効果の試算方法、実績換算は考えどころです。F(Failure:失敗)コスト削減金額を効果金額としてみるのか、設計工数削減を効果金額とみるのか、3D CAD導入以前のものと比較できる製品設計であればよいのですが、筆者の場合、新規設計内容において3D CADの運用を開始しているため、比較できませんでした。ただし、以下のようなケースは金額換算が可能だと考えます。
- デザインレビューにおいて、2D図面では発見できないような箇所を3Dにより発見できたか否や判断し、この件数を指標化する
- 3Dによる干渉や隙間のチェックによる不具合発見件数を指標化する
- CAEによって設計検証を行った結果の不具合発見件数を指標化する
これらの内容については、不具合による再製作で必要となる部品代や、余剰部品の削減ができることにより金額化が可能で、不具合対策のために必要となる設計工数や組み立て工数といったものを金額換算できます。また、組み立て製造部門の協力を得られるのであれば、組み間違いや組み立て確認に要した余剰作業時間などが、どのように削減できたかということも計測可能です。筆者としては、これがベストというものはなく、各社各様、その目的に応じた指標化を行うことができると考えています。次回は、WBS以降の話を続けます。ご期待ください! (次回に続く)
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設計・製造現場を変革する3D CAD/3Dデータ活用
設計品質の向上、さらなる生産効率化など、設計・製造現場では常に厳しい要求が突き付けられている。そうした中、3D CADをはじめとしたツールの導入やより効果的な使い方を追求した組織としての取り組みも行われている。本連載では3D CAD/3Dデータ活用にフォーカスし、プロジェクト管理者がどのような視点で現場改革を推進していくべきか、そのヒントを提示する。 ◎こんなキーワードに興味のある方にオススメ:[3D CAD][3Dデータ][3D推進][3次元設計][設計品質向上][ツール導入]
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