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» 2017年01月10日 09時00分 UPDATE

IoTとAI、ビッグデータ時代のソフトウェアテスト(1):ソフトウェアテストのコストと品質(前編)―「テストの究極の問題」を考える (1/5)

言うまでもなくソフトウェアテストは重要だが、IoTやAIなどの新しい概念によってソフトウェア自体の在り方が変わりつつある中、旧来からのテストを踏襲するだけでは成果は得られない。新時代のソフトウェアテストについて、考察する。

[五味弘,TechFactory]

ソフトウェアテストを「上から目線」で見てみる

 「ソフトウェアテストほど重要なものはなく、ソフトウェアテストほど困難で大変なものはない」

 これを頭で理解していても、テストが開発現場任せになっていて、組織全体に対する問題と認識されていないことは多い。これは会社経営でいえば「経営者的視点に欠けた経営」とも呼べるものだ。ここではこの経営者的視点を「上から目線」と呼ぶことにして、ソフトウェアテストにおける経営者的視点が特別なものではないことを示したい。

 さらに今はIoTやAI、ビッグデータの隆盛により、ソフトウェアテストも一層混沌としている(図1)。IoTは多種多様なデバイスがITシステムと縦横無尽につながり、止めどなく拡張されていく世界を作る。AIは常に学習によって自分自身を変貌させていき、周囲を変えていく。ビッグデータは非定型な大量のデータを処理し、その動作はデータ自身に随従して変化していく。このような環境でソフトウェアテストがどうあるべきか、どうするべきかが開発現場に問われている。そして「上から目線」の経営的視点も問われている。

図1. IoTとAI、ビッグデータの時代

 もう1つの問題として、ソフトウェアテストはソフトウェア開発の最下層に位置する身分と見なされている実情がある。誤解を恐れずに言えばソフトウェアはメカ、エレキの下の身分になっており、ソフトウェアテストはそのソフトウェアの中でもさらに最下層である。下の現実を見てほしい。

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