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設計者CAEの“What”と“How”――そもそも構造解析で何がしたいのか?設計者CAEは普通の解析と何が違う?(8)(1/2 ページ)

「設計者CAE」という言葉が設計現場で聞かれるようになって久しいですが、3D CAD推進とともにきちんと設計者CAEに取り組んでいる企業もあれば、まだ途上あるいは全く着手していないという企業もあるかと思います。連載第8回では、設計者CAEに取り組む上で考える必要がある「What」と「How」について取り上げます。

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「設計者CAE」の心構え

 前回、“「設計者CAE」は詳細設計と同期しながら進めるべき”というお話をしました。設計開始段階にリスクの評価を行い、拾い出されたリスクから、CAEによって検証できる内容を見つけ出すことで“場当たり的なCAE”を回避することが可能になります。

 ここでのポイントは「DFMEAによりリスク検証と解析を行い、設計要素を拾い出す」ということです。

 詳細設計を進めていくにつれ、詳細設計開始時点で拾い出せなかったリスク要因が顕在化することが多くあります。こうした際はDFMEAシートを改訂し、新たなリスクの検証をCAEにより行います。

 ここでのポイントは「CAEによるリスクの検証は、詳細設計と同期する」ということです。


 前回、詳細設計と同期するCAEについて、“構造解析⇒熱伝導解析⇒熱応力連成解析+構造解析⇒熱流体解析”というステップでCAEを進めた事例を紹介しました。このようなやり方を繰り返すことで、CAEの要素やステップを定型化することが可能になります。

 また、“局所的なCAEを行う前に、全体を見渡すべき”という説明をしました。構造物の局所的な問題をはじめから見つけることは難しいため、まずは全体を見渡すことで、問題のありそうな場所を見つけ、次にその問題のありそうな場所を詳細に調べます。このように、CAEによる評価方法を変える、見方を変えるということが大切だと筆者は考えます。

 ここでのポイントが、今回取り上げる

  • What(何を解析したいのか)」
  • How(どのような方法で、どのような手順で解析するのか)」

になります。

 このような話をすると、何かシステムとしてCAEを使っていれば正しく評価できる、ウィザードの手順にさえ従えば正しくできる、というように思われる方もいるかもしれませんが決してそうではありません。

 ここには、構造解析や熱伝導解析、熱流体解析を行っていく上で、“正しい工学知識”が要求されます。筆者もこの“正しい工学知識”を学んではCAEを行うという繰り返しをしています。その都度サポートを仰ぐことばかりで、この繰り返しはこれから先も続いていくと思います。ただ、その経験によって“引き出し”は着実に増え、進歩(進化)を日々実感できているのも事実です。

優れたデジタルツールを使用するには、アナログの知識(工学知識)や感性(気付き)も必要


構造解析とは

 突然ですが「構造解析」とは何でしょうか?

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