3D CADの常識を超え、製品設計開発から工場の最適化まで実現する「NX」:商用3D CAD製品カタログ
設計から製造までの広範な開発プロセス、複合領域での設計開発を支援する、シーメンスPLMソフトウェアの3D CAD/CAM/CAEソフトウェアソリューション「NX」。自動車や航空宇宙、防衛、コンシューマーなど幅広い分野で採用され、ハイエンド3D CADの代名詞的な存在として、その地位を確立している。今回そのルーツである「Unigraphics」と「I-DEAS」の歴史をひもとくと同時に、統合され現在の姿となったNXの特長および注目機能を紹介する。
NXとは?[歴史]
シーメンスPLMソフトウェアの「NX」は、ツールの制約にとらわれることなく、設計者の自由な発想やアイデアの創出を支援し、設計から製造までの広範な開発プロセスおよび複合領域での設計開発をカバーする、3D CAD/CAM/CAEソフトウェアソリューションである。その歴史は古く、ルーツは1963年にまでさかのぼる。
この年、現在のNXにつながる源流の1つ「Unigraphics」を開発したUnited Computingが設立された。同社は最初CAMツールの「UNIAPT」を1969年にリリースし、その5年後の1974年にUnigraphicsを世に送り出す。そして1976年、McDonnell Douglasによる買収(CAD/CAM部門を「Unigraphics Group」と命名)を経ながらUnigraphicsの開発は継続され、1984年に「Unigraphics II」がリリースされる。その後、EDSによる買収が行われてUnigraphicsの部門を完全子会社化し、Unigraphics Solutions(後にUGSと改名)を設立。1993年にリリースされた3D CAD「UG バージョン10」からパラメトリックモデリングに対応し、フィーチャーベースのハイエンド3D CADとして進化していく。
2001年、EDSはNXへとつながるもう1つの源流「I-DEAS」の開発元のSDRCを買収(SDRCの設立は1967年、I-DEASの最初のバージョンは1982年に登場)。UGSの下でUGとI-DEASの統合が進められ、2002年にNXの最初のバージョンが登場する。現体制のシーメンス傘下となるのは2007年のこと。旧UGSは、UGS PLM Software部門としてシーメンスのグループに加わり、その後シーメンスPLMソフトウェアと名前を変えて、現在に至る。シーメンスPLMソフトウェアとしてリリースしたのは「NX 5」からで、2008年に登場した「NX 6」では、従来のヒストリー型モデリングによるCADの世界と、シンクロナス(ノンヒストリー型)モデリングによるCADの世界を共存させ、双方の“いいとこ取り”を実現する「シンクロナス・テクノロジー」を搭載(同社「Solid Edge ST」と同様)。そしてつい先日、最新バージョンの「NX 12」が発表されている(原稿執筆時点:2017年10月末)。
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