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問われる「自動運転車」の安全性、Uber死亡事故が突き付ける現実:TechFactory通信 編集後記
今回の出来事を教訓に、安全性に対する議論がより良い方向に進むことを望みます。
配車サービス大手のUberの自動運転車が2018年3月18日(米国時間)、歩行者を死亡させる事故を起こしました。事故発生は午後10時ごろ。自転車を押しながら車道を横切ろうとしていた女性に自動運転モードで走行中の車両が衝突、被害に遭った女性は病院搬送後に死亡が確認されました。自動運転車が歩行者を巻き込む死亡事故を起こしたのは“初”となります。
これを受け、Uberはサンフランシスコ、ピッツバーグ、フェニックス、トロントなどで実施中の自動運転車による試験走行を中止。その余波は業界を駆け巡り、トヨタ自動車も「ドライバーの心理的な影響へ配慮するため」とし、米国で実施している自動運転車の公道試験の中止を早々に発表しました。
今回事故を起こしたUberの自動運転車の運転席にはオペレーターが座っており、自動運転モードで走行。米国の報道によると、自動運転車は時速約65キロで走行しており、減速することなく女性を跳ねたとしています。
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