MSYSが米Desktop Metalと代理店契約を締結、金属3Dプリンタの国内販売を開始:Studioシステム/Productionシステム
丸紅情報システムズ(MSYS)は米Desktop Metalと代理店契約を締結し、Desktop Metal製金属3Dプリンタ「Studioシステム」の国内販売を開始した。
丸紅情報システムズ(MSYS)は2018年2月15日、米Desktop Metalと代理店契約を締結し、Desktop Metal製金属3Dプリンタ「Studioシステム」の国内販売を開始した。金属粉末冶金技術とプラスチック射出成形技術を融合させた金属部品製造技術「MIM(Metal Injection Molding)」のプロセスを応用し、金属材料で造形する3Dプリンタとなる。同製品と2019年に発売予定の「Productionシステム」により、MSYSは今後3年間で10億円の売り上げを目指す。
◎編集部イチ押し関連記事:
» 3Dプリンタ市場は「終わった」のか?
» エポック社が「シルバニアファミリー」の製品開発で実践する3Dモノづくり
» 「3Dプリンタ材料」の世界市場規模は、2020年に2000億円超へ
Studioシステムは3つの機器で構成される。1つ目は、金属粉末と熱可塑性のバインダー(結合樹脂剤)を混合した材料を積層して造形する熱溶解積層方式の「Studio 3Dプリンタ」。2つ目は、バインダーを脱脂する「デバインダーステーション」。そして、高温での加熱により金属粉末を溶融結合させて焼結体を作る「ファーナス(焼結炉)」だ。
材料は金属粉末に樹脂を練りこんだ棒形状で供給されるので、金属粉末が飛散して粉じん爆発を引き起こす危険性がない。また、レーザーやビームで金属紛体を焼結溶融するタイプの金属3Dプリンタのように、窒素封入や静電気対策も必要としない。
金属同士の結合は、サポート部分とモデル部分の接地面に融点の高いセラミック粉末を押し出すことで防止する。サポート部分は手や工具で簡単に除去できるため、ワイヤ放電加工機や切削機などで除去する後加工は不要だ。
同システムは、航空宇宙業界や自動車部品メーカー、研究機関などでの鋳造品の置き換えやサービスビューロー向けの試作、小ロット生産に適している。他の金属3Dプリンタと比較して安価で、設置環境の整備にも高額な費用を必要としないので、製造業への普及が期待できる。
◎併せて読みたいお薦めホワイトペーパー:
» 性能向上や新素材開発が「3Dプリンタ」市場の成長を後押し
» 国内3Dプリンティング市場、最新動向
» 3Dプリンタの未来と課題
» 専門家が解説!「3Dプリンティング技術に関するハイプサイクル2015年版」
» 個人のモノづくりで知っておきたい「法律」の話
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 量産と同じアルミ合金で試作、「ADC12」による金属3Dプリンタ造形サービス
白銅は「3D Printing 2018」(会期:2018年2月14〜16日)において、東京理科大学、キヤノンマーケティングジャパンとの共同開発により実現した、JIS規格のアルミダイカスト材料「ADC12」による造形サービスに関する展示を行った。 - 金属3Dプリンタの独EOSが日本法人を設立、NDESとともに国内AM事業を強化
NTTデータエンジニアリングシステムズ(NDES)とドイツのEOSは、日本国内におけるアディティブマニュファクチャリング事業を強化することで合意した。 - “3Dプリント樹脂型+切削加工”でさらに高品質な試作、小ロット生産が可能に
3Dプリンティング技術展「3D Printing 2018」に出展したストラタシス・ジャパンは、StratasysのPolyJet 3Dプリンタで製作した樹脂型を用いた加工技術「デジタルモールド」のさらに進化した活用法を提案。新たに“型切削”のプロセスを加えることで、意匠面にこだわった試作、小ロット生産のニーズに応える。本稿では、その仕上がりの違いについて画像を交えて紹介する。 - エポック社が「シルバニアファミリー」の製品開発で実践する3Dモノづくり
玩具業界でも本格化する3Dツールを活用したモノづくり。総合玩具メーカーのエポック社でも、同社を代表する製品ブランドの1つ「シルバニアファミリー」の開発において、3D CADやフルカラー3Dプリンタを活用した“3Dモノづくり”に取り組んでおり、意思決定の迅速化やリードタイムの短縮といった成果が出始めているという。 - HPがフルカラー対応の3Dプリンタを投入、後処理などもオールインワンで
米HPは「SOLIDWORKS WORLD 2018」の基調講演の会場において、インクジェット技術を応用した「HP Multi Jet Fusion technology」を採用する3Dプリンティングソリューションの新製品「JetFusion 300/500シリーズ」を発表した。