安川電機、クロスコンパスと共同で「AIピッキング機能」を開発：安川電機 産業用ロボット

安川電機は、AIベンチャーのクロスコンパスと共同でロボットによる対象物の認識、しっかりと握り持つ“把持（はじ）”動作の生成および多様なつかみ方を自ら学習するAIピッキング機能を開発した。

[提供：MONOist編集部，TechFactory]

　安川電機は2017年11月、AIベンチャーのクロスコンパスと共同でロボットによる対象物の認識、しっかりと握り持つ“把持（はじ）”動作の生成および多様なつかみ方を自ら学習するAIピッキング機能を開発したと発表した。

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　主な用途は部品配膳システム、物品を仕分けるシステムなど。現場では生産ラインの自動化ニーズの多様化により、ロボットに求められる作業のレベルが高度化している。今回の開発はこれに対応し、対象物ごとに多様な把持動作を教示しなければならないユーザーの負担の軽減を図る。また単一グリッパによる多種の対象物把持も可能にする。

安川電機とクロスコンパスが共同で開発したAIピッキング機能のイメージ 出典：安川電機

　今回開発した機能では、AIにより、ロボットアーム先端の2Dカメラで取得した画像を解析し対象物品の認識、把持動作の生成、多様なつかみ方を学習する。これによりピッキング実行時に自動で対象物の状態に合わせた把持動作を生成できる。学習したAIはロボットに依存しないため、教示作業を省略して他のロボットに移植することも可能だ。

ロボットイメージ 出典：安川電機

　現状では把持を確実に実行するため対象物に合わせてグリッパを専用に設計し用意する必要がある。しかし新機能では同じグリッパで学習を行うことで、AIが多様なつかみ方を自動で獲得することができるため、単一グリッパで多種の対象物に対応したピッキングシステムを構築できる。

　2Dカメラによる低コスト化も特徴の1つ。現状のバラ積みピッキングシステムでは3Dカメラを用いたシステムで高精度に対象物の位置姿勢を認識してピッキングを行うのが一般的だが、新機能では安価な2Dカメラの画像で学習を行うため、低コストでシステムを導入できる。

従来との比較 出典：安川電機