自律走行式スクラバー
ソフトバンクが「自律化」ロボット販売へ、製造や物流も視野に
ヒト型ロボット「Pepper」を販売するソフトバンクロボティクスが、自律型の業務用清掃ロボットを2018年夏に日本国内投入する。自律型ロボットの「頭脳」を既存製品に組み込むことで、ロボット化する。
「ソフトバンクロボティクスはPepper株式会社ではない」
ヒト型ロボット「Pepper」を販売するソフトバンクロボティクスが、自律型の業務用清掃ロボットを2018年夏に販売開始する。同社がPepper以外のロボットを販売するのは初めてとなるが、同社の冨澤社長は「ソフトバンクロボティクスはPepper株式会社ではない」とさまざまなロボットの提供を視野に入れての投入だと語る。
2018年夏に販売を開始するのは、米ICE社の搭乗型清掃機「RS26」に米Brain Corporationの自律走行機能を組み込んだ、自律型の業務用清掃ロボット「自律走行式スクラバー」だ。Brainの自律走行機能(ソフトウェア)は搭乗型掃除機のような、既存走行機器の自律化を可能とするために費用対効果が高く、また、低速域での使い勝手を優先した設計であるため、物流における倉庫内移動や工場内の部品搬送などへの応用も可能だ。
米Brain Corporationはソフトバンクのファンド「Softbank Vision Fund」(いわゆるソフトバンク10兆円ファンド)が出資する企業で、搭乗型掃除機やフォークリフト、空港内での貨物運搬車のような、「ヒトが走行させる機械」を自動化するソフトウェア技術を開発している。同社技術を用いた自律型ロボットは既に実用化されており、スーパーマーケットチェーンのROSTCOやWalmart、スポーツアパレルのUNDER ARMOURなどに採用されている。
自律走行式スクラバーはLIDARと3D TOFカメラを中心としたセンサー群から得た情報をもとに、ティーチングされた経路を自動巡回する。進行方向に障害物があれば避けて通り、眼前を人が横切れば緊急停止する。障害物が置かれたり、通路幅の変更などが起きてしまって走行が不可能となった場合は、前方のカメラで状況を撮影して管理者へ通知する。自動運転中に人が乗り込もうとした場合には、運転席とステアリングに搭載されたセンサーによって自動停止する。
Brain社の自動化技術は、「低速域での使い勝手」「ソフトウェアで自律走行ロボットを実現するコスト効率の高さ」が特徴だ。現在は屋内用の清掃ロボットとして自動化技術を実装しているが、物流倉庫や生産現場における搬送車両の無人化も有望な使い道だろう。倉庫内ロボットやAVG(無人搬送車)の置き換えはソフトバンクロボティクスも視野に入れており、技術面とコスト面、双方の試作と試算を行いながら市場性を検討している状況だという。
同種の業務用清掃ロボットは既に複数社から登場しているが、「自律型として優れており、人を避ける、前になかったモノをよけるなどAI機能が高機能」と冨澤氏は自信を示す。スクラバーについては北米でのサービス導入実績(北米では月額500ドルの価格設定)もあることから、「ソフトバンクロボティクスはPepper株式会社ではないし、総合的に利益を押し上げていく」と新ロボットの提供に積極的な姿勢を見せている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
企業戦略(FA)
この記事の著者
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社 Green AI] 自動車業界には好機 脱炭素×コスト削減×現場改善を実現するエネルギー戦略 -
製品資料
[株式会社 Green AI] 脱炭素投資をすぐ回収したい 自動車業界にも有効なCO2削減アプローチ -
市場調査・トレンド
[スマートジャパン編集部] 「ペロブスカイト太陽電池」の普及戦略が公表 政府が目指すコスト・導入量のロードマップを解説 -
市場調査・トレンド
[スマートジャパン編集部] 導入が加速する再エネ・系統向け蓄電システム コスト・収益性の現状分析 -
技術文書・技術解説
[スマートジャパン編集部] いまさら聞けない「ペロブスカイト太陽電池」の基礎知識と政策動向
関連記事
こんなメディアも見られています
TechFactoryに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
特集
- マテリアルズ・インフォマティクスの動向調査
- 研究・開発職のデジタル活用調査
- 設計・解析業務におけるAI活用
- 3Dプリンタ利用動向調査
- CAD利用動向調査
- つながる工場の現状と課題
- 製造業におけるAI開発および活用の実態
- 設計・製造現場における品質管理
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
CAE解析をAIエージェントに任せてみた 人は何を担うのか
-
2
高度な半導体/電子デバイスの非破壊不良解析を支える「3D X線技術」に迫る
-
3
「ロボットアーキテクチャ」実態調査2026年版:現在の課題と優先事項を解説
-
4
EE Times Japan×EDN Japan 統合電子版:製造現場にフィジカルAIをどう実装するか――電子版2026年9月号
-
5
スマート工場動向調査2026
-
6
「見て覚えろ」が通じない時代 製造業の保全技術はどのように継承すればよい?
-
7
動き出したファナックの「フィジカルAI」
-
8
【読者調査結果】製造業の脱炭素動向調査2026
-
9
はじめての化学工学まとめ(Part1)
-
10
QC活動の形骸化はどう防ぐ? 実効性のある業務へ転換する3つの解消策とは
TechFactory SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechFactoryをフォロー