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ソフトウェアテストの施策と運用(後編)――カギを握るテストの運用:IoTとAI、ビッグデータ時代のソフトウェアテスト(9)(2/5 ページ)
新時代のテストに向けて立派な施策を打ち立てても、それを継続的かつ効果的に運用しなければ、絵に描いた餅である。今回は従来テスト運用を振り返りつつ、新時代のテスト運用について見ていく。
アジャイル開発のテスト運用、テストは空気のように
アジャイルでのテスト運用は、繰り返してテストをすることもあり、ウオーターフォールとは趣が異なる。毎回の繰り返し開発の中でテストを実施するために、テストは低コストに気楽に実施することになり、お金と心の障壁は低くなる。テストをすることが自然現象のように思え、空気のように気にならなくなる。バグの多少さえも気にならなくなる。このような麻薬のような常時テストこそがアジャイルのテストの肝である。
そのテスト運用は弾力的で臨機応変に行われる。テストはいつでもどこでも(そして)誰でも実施でき、部分的に気ままに実施できる。逆に言えば全対象のテスト運用は少なく、部分を対象にするテスト運用の方が一般的である。
重要なのは回帰テスト(*)の自動化による、低コスト化である。回帰テストを実施する度にコストが発生するとトータルコストを圧迫してしまうので、回帰テストは自動化してコストを低く抑える必要がある。
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