FAで堅調な伸びを見せる無人搬送車、他業界への普及は:矢野経済研究所 AGV(無人搬送車)調査
工場などで機材搬送に利用されているAGV(Automated Guided Vehicle:無人搬送車)。FA向けに堅調な成長が見込まれており、流通などにも広まる可能性を秘めている。
自動車や食品・医薬品の製造ライン、または病院内での機材搬送などに利用されているAGV(Automated Guided Vehicle:無人搬送車)。中でもレールを敷設しないタイプのAGVはFA(Factory Automation)の分野を中心に導入が進んでおり、景気回復という背景もあり、2016年度には前年度比8.8%増の102億5700万円の市場に成長する見込みだ。
矢野経済研究所が2016年10月13日に発表した国内AGVに関する調査「AGV 市場の現状と将来性 2016」によれば、その国内市場規模(メーカー出荷金額ベース)は2015年に94億2700万円、2016年に102億5700万円と緩やかな成長曲線を描いている。需要用途別に分類すると、自動車、食品飲料、医薬品製造といったFA向けが9割を占める。
技術面では誘導方式に磁気誘導を用いる方式が最も多く採用されており、その傾向に近年変化はない。電源については性能面でリチウムイオン充電池(LiB)が優位であるものの、価格面に着目し、あえて鉛蓄電池を採用するメーカーもある。基本的には導入先の使用条件と価格に沿った製品が選定される傾向にあり、技術的な動きは乏しい。
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製造業以外への導入が成長の鍵
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