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» 2020年05月15日 09時00分 公開

大原雄介のエレ・組み込みプレイバック:茨の道が広がるMIPS/動き出したWi-Fi 6E/Armの物量戦 (1/3)

エレクトロニクス/組み込み業界の動向をウオッチする連載。今回は、2020年4月の業界動向の振り返りとして、MIPSビジネスやWi-Fi 6Eの動き、Armのスタートアップ向けFlexible Accessなど、小ネタ3本をお届けする。

[大原雄介,TechFactory]

 全世界的にロックダウンが行われていたこともあり、エレ・組み込み業界では2020年4月もあまり活発な動きはなかったため、小ネタをいくつかご紹介したい。

MIPS(というかWave Computing)とImagination

 2019年12月の記事に、Wave Computingそのものがかなり厳しいのでは? と書いたが、案の定であった。こちらの記事ではまだ確定していなかったが、米国時間の2020年4月28日にPR Newswire経由で同社がChapter 11入りしたことを明らかにした

 現在は再建プロセスがスタートしており、取りあえずTallwood Venture Capitalの関連会社から総額2800万ドル弱のDIP(Debtor in Possession)資金を取得した事を発表している。DIPは旧経営者に経営を任せつつ、企業再建を目指すという再建手法であって、さてどういう方向に向けて再建を行うのかが現在注目されている。ただ2019年末の段階では3人(創業者のDado Banatao氏、CEOのSanjai Kohli氏とChief Data ScientistのJin Kim博士)だった経営陣は、直近ではKim博士が抜けて2人になっており、現状社員がどの程度残っているのかもはっきりしない。先の記事でも指摘したがMobileyeとMediaTekという2大クライアント(厳密に言えば、MIPS32ベースのPIC32を提供するMicrochipもクライアントではあるのだが、同社は現在32bitを旧Atmel系のSAMシリーズに一本化する方向を見せており、今後の展開はあまり期待できそうにない)がある間はMIPSビジネスは「それなりに」維持できるだろう。

 むしろ問題は本業であるAIプロセッサの方が振るわないことで、

  • MIPSビジネスを再び外販して、その資金でAIプロセッサの立て直しを図る
  • MIPSビジネスをコアに据えて、AIプロセッサの路線を放棄する、または同社のDataflow ProcessorのテクノロジあるいはIPを外販する

あたりがぱっと思いつくところだが、どちらにしてもいろいろ茨の道が広がっている様に見える。それでもまだ顧客が居る分、MIPS IPビジネスの方が現実性はあるとは思うのだが。

 対照的に復活に向けて進んでいるにもかかわらず、ここに来て方向性がやや見えなくなっているのがImagination Technologiesである。

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