エレクトロニクス/組み込み業界の動向をウォッチする連載。相次ぐCEOの辞任が目立った2018年だが彼らのその後はどうなったのか? またWave Computingが発表した「MIPS Open Initiative」の今後も気になるところだ。そして、“身売り”がうわさされていたGEによるGE Digitalの分社化とServiceMaxの売却――。2018年を締めくくるこれら3つのトピックを順に紹介しよう。
2018年12月はいくつかの“目立つ動き”が見られた。影響が軽微と思われるものから順に3つほど紹介したい。
本連載の2018年8月号にて紹介した、元Rambus CEOのRon Black博士がImagination TechnologiesのCEOに就任したことが2018年12月13日に発表された。
もともとImagination Technologiesは、2017年9月にCanyon Bridge Capital Partnersに全事業を売却しており、これもあって2018年4月からは中国系のMobile SoCを手掛けるSpreadtrum CommunicationsのCEO 兼 RDA Microelectronicsの会長であったLeo Li博士がCEOに就任していた。これは一種の“暫定CEO”という扱いだったようで、今回の交代によりLeo Li博士は、Tsinghua Unigroup(Spreadtrum & RDAの親会社)の副会長に復帰した。もっとも、Leo Li博士は2016年5月にGSA(Global Semiconductor Alliance)の取締役会議長に就任していたが、これも同時に退いていることから、単に定年(2019年で61歳になる)という可能性もあり得る。
ちなみに、就任リリースには(当然ながら)Rambus退職に関する詳細は一切触れられていないが、Canyon Bridge Capital Partnersが彼のRambus退職のきっかけとなった“Dr. Black’s conduct fell short of the Company's standards”をどう判断したのかにはちょっと興味のあるところだ。
同じく6月にIntelのCEOを追われたBrian Krzanich氏は、2018年11月7日に自動車向けのソフトウェアを提供するCDK Global Holdingsの社長 兼 CEOに就任している。やはり“それなりの大会社のCEOを務めた”という経験は得難いものと判断される(先のRon Black博士にしてもRambusの企業文化を立て直した立役者として、高く評価されていた)のかもしれない。
かくしてCEO経験者はぐるぐるとさまざまな企業を回る、という話は最近日本でも多少目立つようになってきたが、そもそも半導体業界ではよくある話であり、今回もこれが繰り返された形だ。
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