スマート工場の実現に関心が集まる中、国内製造業の現場ではどのような取り組みが行われているのだろうか。産業用ロボットやAGV(無人搬送車)を活用し、LED照明の製造ラインを自動化したアイリスオーヤマ つくば工場(茨城県稲敷郡阿見町)を取材した。
ドイツの「インダストリー4.0(Industrie 4.0)」などを背景に、国内外でスマート工場の実現を目指す動きが加速している。日本でも経済産業省が「Connected Industries」を掲げ、国内産業の目指すべき姿を示しているが、その柱の1つに「人と機械・システムが対立するのではなく、協調する新しいデジタル社会の実現」がある。ここでは、AIやロボットを課題解決のツールとして積極的に活用することをうたっている。
製造業が抱える人手不足(人材不足)問題の解消を例に挙げると、AIやロボットが人間の仕事を奪うのでは? と恐れたり、敵視したりする声も聞かれるが、「協調」とある通り、“うまく活用すること”をConnected Industriesのコンセプトでは推奨している。
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ロボット活用の観点でいうと、従来は大量生産(モノをたくさん作ること)を目的に産業用ロボットが製造現場に導入されたが、今日ではAI技術を融合させた“知能ロボット”としての期待が寄せられ、多品種少量生産やスマート工場の実現に欠かせない存在として注目されている。
実際、産業用ロボットやAGV(Automatic Guided Vehicle:無人搬送車)を活用して、製造現場の自動化に積極的に取り組んでいる企業が増えつつある。
その代表的な企業の1つが、アイリスオーヤマだ。同社は、国内9番目となる「つくば工場」(茨城県稲敷郡阿見町)を新設し、2018年4月から本格稼働を開始している。ここでは、LED照明の生産を行っており、産業用ロボット(垂直多関節ロボット)やAGVを活用した自動化ラインによって、基板実装から製品の梱包(こんぽう)までを一貫して行っている。
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