矢野経済研究所
2022年度の国内M2M市場は2020億円規模に、M2Mを含むIoT技術は社会インフラの一翼を担う
矢野経済研究所は、M2M(Machine to Machine:機器間通信)市場に関する調査の結果概要を発表した。
矢野経済研究所は2018年6月29日、M2M(Machine to Machine:機器間通信)市場に関する調査の結果概要を発表した。
2016年度の国内M2M市場規模(事業者売上高ベース)に関しては、前年度比3.7%増の1670億円であったという。LTE通信モジュールの普及や、それを利用したアプリケーションの拡大などが市場をけん引し、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの主要3キャリアともに堅調に推移。これとともに、NTTドコモやKDDIのMVNOが提供するサービスも好調であったとしている。
2017年度も自動車や流通小売業向けなど、MVNO関連での需要拡大を背景として伸びが加速。2017年度の同市場規模は、前年度比6.0%増の1770億円の見込みだとする。主要3キャリアも引き続き拡大基調で、エネルギー関連(新電力含む)や防犯・セキュリティ、製造、運輸・物流といった分野でのM2M利用が好調に推移するとみている。
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M2M利用を含む、IoTスターターキットへの参入が続く
注目トピックについて矢野経済研究所は、M2Mも利用されているIoT(Internet of Things)スターターキットに関する参入企業の伸びを挙げる。現在、主要ITベンダーなどが「データ収集/見える化」「遠隔モニタリング」などを迅速かつ安価に実現できるソリューションをパッケージ化し、トライアルユーザーをメインターゲットにIoTスターターキットを展開している。従来、IoTスターターキットは製造業向けがメインであったが、物流や農業、公益・公共、見守り・セキュリティ、流通といった幅広い業種、業態向けキットの販売も始まっており、40社以上の企業が参入しているという。
将来予測に関しては、2018年度以降、MVNO関連の需要増などで国内M2M市場の拡大は続くものの、徐々にM2MとIoTの境界線が薄れ、「M2M自体の呼称が消失する可能性もある」と矢野経済研究所は指摘する。実際、大手ITベンダーなどではM2Mを冠した組織がなくなりつつあり、LPWA(Low Power Wide Area)を利用した通信やAI、VR/AR、作業支援用ロボット、コミュニケーションロボット、ドローンなどのデバイス間への適用が進み、IoT社会を実現するためのアプローチがさまざまな領域で“実装段階”に入ってくるとみている。
その一方で、M2M市場自体は安定的に推移し、2022年度の国内M2M市場規模は2020億円になると予測。将来的に、センサーネットワーク社会と表裏一体の形でIoT社会が実現し、M2Mを含めたIoT技術は現在の通信インフラと同じように、社会インフラの一翼を担うようになるだろうと、矢野経済研究所は予測する。
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