日立製作所は、ディープラーニングを活用して、鉄鋼プラントで鋼板を製造する冷間圧延機をリアルタイムで制御する技術を開発した。
日立製作所は2017年10月、AI(人工知能)のディープラーニングを活用して、鉄鋼プラントで鋼板を製造する冷間圧延機をリアルタイムで制御する技術を開発したと発表した。蓄積した膨大な鋼板の形状パターンや操業の実績データを機械に学習させ、リアルタイムで冷間圧延機を自動制御し、鋼板の波打ちなどの形状を補正する。
熟練工が持つ冷間圧延機の操作ノウハウをデジタル化することで、オペレーターが手動で操作していた制御を機械に学習させることができ、オペレーターの操作負担を軽減する。また、鋼板の形状パターンと機械制御のさまざまな関係性を機械が学習し、新たな制御方法を自動で習得することも可能だ。
同技術には、同社が培ってきた独自の制御技術、ノウハウも生かされている。制御結果をフィードバックしてディープラーニングの学習効率や精度を高めていく仕組みや、ディープラーニングによって異常値の出力を抑制する仕組みにより、同技術を運用しながら制御性能を向上させ、プラントへの悪影響を防止できる。
技術開発に当たっては、同年8月より北京首鋼の遷安製鉄所で実機に同技術を適用する実証実験を実施。その有効性を確認した。日立製作所では、2018年3月から同技術を活用した製品を鉄鋼プラント向けに提供していく。
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