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仮想通貨のマイニング向け電力プラン、Looopが提供マイニングフラット

Looopは電力販売メニューに新たに2つのプランを追加。1つは業務用空調や大型冷凍庫を所有する需要家向けの「動力プラン」。もう1つは、ビットコインなどで知られる仮想通貨のマイニング事業者向けの格安料金プランだ。マイニング事業者向けのプランを用意する理由とは?

» 2017年10月11日 12時00分 公開

 Looopは2017年9月27日、電力販売メニューに新たに2つのプランを追加すると発表した。1つは業務用空調や大型冷凍庫を所有する需要家向けの「動力プラン」。もう1つは、仮想通貨のマイニングを行う事業者向けの料金プランだ。

 低圧の三相電力を供給する動力プランは、沖縄電力管内を除く全国で、2017年10月から提供を開始する。基本料金と従量料金で構成し、基本料金は東京電力管内で900円/kW、その他のエリアでは700円/kWとなる。従量料金は、北海道エリア以外では7〜9月の夏季のみ2円/kWh高い単価となる。契約電力は切り替え前のものを踏襲する。


 電気料金の削減目安については、「使用量によって異なるが、東京電力エナジーパートナーの低圧電力プランを契約する場合と比較して5〜10%、関西電力の同プランと比較して15〜20%安くなるというイメージ」(Looop 執行役員 電力事業本部 本部長 小嶋祐輔氏)としている。

 Looopは動力プランを追加したことで、高圧・特高から家庭向けまで全ての電力販売メニューがそろったことになる。小嶋氏は「新電力でありながら、高圧から低圧まで全ての需要家に対応できるのがLooopの特徴の1つになる考えている」としている。

動力プランの導入による電気料金の削減例 動力プランの導入による電気料金の削減例

仮想通貨の「マイニング」とは?

 もう1つの新しい料金メニューが、 仮想通貨のマイニング事業者を対象とする「マイニングフラット」だ。「ビットコイン」などで知られる仮想通貨は全ての取引記録を、ネットワーク上に分散保持される取引台帳(ブロックチェーン)に記録することで、正確さと信頼性を保持している。こうした取引台帳への記録には、膨大なデータを処理していく必要がある。そこで、これらのデータ処理を事業者が行い、対価として仮想通貨を受け取るのがマイニング(採掘)と呼ばれる作業だ。

 しかし、マイニングを行うためには、複数のサーバを利用する必要がある。つまり、多くの電気代が掛かる。海外では個人がマイニングを行うケースも増えているが、Looopの代表取締役社長を務める中村創一郎氏は「日本では電気料金の高さがネックとなっており、マイニングが浸透しにくい状況」と語る。

 そこで、多くの電力を消費するマイニング事業者の支援を目的に用意したのがマイニングフラットだ。2017年10月下旬から、東京電力管内で提供を開始する。月額料金は10Aまたは1kVAにつき6170円で、この料金で250kWhまで電力を定額で利用できる。例えば30A契約の場合は750kWhまでを1万8510円で利用できる。超過分は1kWh当たり22円の従量料金が適用される。30A契約月の電力使用料が1000kWhの場合、東京電力エナジーパートナーの従来電灯Bと比較して、月額料金は16.9%安くなるとしている。

 マイニングフラットは、Looopが提供している「おうちプラン」などの既存の料金プランより、さらに割安な料金単価を設定している。中村氏はその狙いについて、「この料金メニューの提供によって、国内のマイニング事業者を支援していきたい」とし、エネルギー業界での導入にも注目が集まっているブロックチェーン技術の浸透に対する期待を示した。

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