メガソーラーの機器コストを削減できるとして注目されている、1500V対応パワコン。ABBが日本市場での販売を開始した。
スイスの大手電力機器メーカーのABBは、日本国内の大規模太陽光発電所向けに、DC1500V対応の大容量パワーコンディショナーPVS980をこのほど発売した。PVS980の系統連系を最適化させるサブ変電機器もパッケージ提供する。
PVS980は定格出力1939kW、2036kW、2133kWの3タイプをラインアップ。事前に最適化されたABBのサブ変電機器と併せて使用することで、数MWクラスの大規模発電所でもプラグ&プレイ方式による簡易な機器間の接続を実現し、短時間で系統連系が行えるという。
最大1500VのDC入力電圧と2133kWまでの高出力定格を備えているため、発電システム全体のコストを削減することができ、投資家や発電所オーナーは収益性を高められるとしている。さらに、同製品を含む全てのABBの大容量パワコンシリーズは、夜間にDC入力側を切り離し、無効電力を供給するなど、有効電力と無効電力を制御し、電力系統の安定化をサポートする機能が標準装備されている。
この他PVS980の特徴として、過酷な設置環境においても優れた耐久性と内部冷却性能を維持しつつ、メンテナンス要件の最小化を実現することのできる循環式冷却システムを採用した。同冷却システムは、冷媒の相転移およびヒートパイプ技術を利用。パワーコンディショナーの重要な電気回路部は外気から隔離されるようになっており、腐食性外気や砂ぼこりなどの侵入による機器損傷のリスクを低減する。ポンプやバルブなどの動的部品を利用しておらず、冷媒の補充や液漏れも起きないため、メンテナンス性にも優れるという。
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