本格的な第4次産業革命の到来に向け、IoT活用への期待が非常に高まっている。この大きなビジネスチャンスをつかむべく、大企業を中心にさまざまな戦略、施策が打ち出されているが、果たして中小企業はどうすべきか? 第3回では、インダストリー4.0的働き方のイメージや設計図面のIT化の後退現象について問題提起する。これを機会に自社のIT活用の状況を再点検してみよう。
連載「中小企業のためのIT活用のススメ」では、インダストリー4.0時代に求められる“中小企業のIT活用”をテーマに、さまざまな話題を取り上げています。連載第1回では、業務全体を通してありがちな課題を皆さんと共有し、第2回では、経営の視点(鳥の目)で目標設定することの重要性について解説しました。
そして、今回お届けする第3回では、上空から地上に降り立ちながら、4.0的働き方のイメージや設計図面のIT化の後退現象について、問題を提起したいと思います。
» インダストリー4.0時代の到来を前に、電子化が進まぬ昭和なデータ管理をしていませんか?
» “鳥の目”でIT導入の真の目的を見極めよ! 何となくのIT活用にさようなら
» 現場を置き去りにしたITシステムの再構築、待っているのは“ダメ出し祭り”
» 従来の常識を覆し、限界点を突破する「デジタル技術」の可能性
» 製造現場はどう変わる? デジタル技術がもたらすインパクト
台風などの自然災害や交通機関のマヒといった影響で、大切な仕事やアポイントが中止になってしまった経験はないでしょうか? 実際、筆者の知人であるAさんはこんな体験をしたそうです。
Aさんは、愛知県を拠点にしている小さな受託設計会社のエンジニアです。ある日の夕方、大阪の取引先であるX社のBさんとCさんを訪問し、3人そろって設計仕様の会議を行う予定でした。
ところが、朝から大型台風が中部地区を直撃。Aさんは名古屋から大阪への移動を断念せざるを得ませんでした。一方、X社のBさんも広島からの新幹線が大幅に遅延し、どう頑張っても大阪での会議には間に合わないことが分かりました。
“昭和な3.0時代の働き方”であれば、会議は当然キャンセルだったはずです。しかし、Aさんは「予定通り、3人で会議をすることができた」といいます。なぜでしょうか?
そのカラクリは次の通りです。
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