矢野経済研究所は「国内M2M市場に関する調査」を実施し、その結果を発表した。
人が介在せず、通信機能を備えた機器間で情報のやりとりを行う「M2M(Machine to Machine:機器間通信)」は、これまで自動販売機やエレベーター、重機・建機などの監視や各種環境計測などで用いられてきた。近年はさらに利用範囲が拡大しており、スマートメーターに代表されるエネルギー関連や工場設備・生産機械の遠隔モニタリングなどで活用が進んでいるという。
こうした市場背景を踏まえ、矢野経済研究所は「国内M2M市場に関する調査」を実施し、その結果概要を発表した(詳細は、同社発行の資料「IoT/M2Mマーケット 2017」にまとめられている)。
同調査によると、M2M需要は堅調に推移しており、2015年度の国内M2M市場規模は1610億円だったという。2016年度も同様に、上位事業者の事業拡大やMVNOによるサービス多様化などが市場をけん引した他、M2Mの利活用が中堅規模のユーザー企業にも浸透してきたことや、設備・機器監視や流通・物流関連でも需要の拡大が継続し、M2M市場の拡大を後押しした。その一方で、デバイス単価や回線利用料などの低価格化も見られたが、2016年度のM2M市場規模は結果的に前年度比106.2%の1710億円になる見通しだという。
2017年度以降も、引き続きエネルギー関連がけん引役となる他、製造現場における遠隔モニタリングなどの設備・機器監視や、流通・物流関連の需要拡大が見込まれ、2021年度の国内M2M市場規模は2000億円に達するとみられている(図1)。
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