SDアソシエーション(SDA)は、SDメモリーカードの新たな規格として、ランダムの読み止し/書き込み速度を向上させたSD Ver 6.0仕様のアプリケーションパフォーマンスクラス2(A2)規格と低信号電圧(LVS)仕様を追加した。
SDアソシエーション(SDA)は2017年3月、SDメモリーカードの新たな規格として、SD Ver 6.0仕様のアプリケーションパフォーマンスクラス2(A2)規格と低信号電圧(LVS)仕様を追加した。従来に比べてランダムの読み止し/書き込み速度は2倍を上回る。同時にモバイル機器などに向けて低消費電力設計への対応も図った。
SDメモリーカードは、アンドロイド端末などにおいて、アプリケーション格納やアプリケーションデータの保存といった用途で需要が拡大している。このため、ランダムおよびシーケンシャルの読み止し/書き込み性能について、より速い処理速度が求められるようになった。
このためSDAは、2016年11月にSD Ver 5.1仕様のアプリケーションパフォーマンスクラス1(A1)規格を公開した。今回発表したA2規格は、より高い性能と低消費電力の実現という、モバイル機器の要件に対応するため、新たな仕様を追加した。
これらの規格は、写真や動画、音楽といったデータの記憶領域を提供するとともに、それぞれの環境下でアプリケーションを実行したり保存したりする際に、必要となる最低限のランダムおよび、シーケンシャルリード/ライト処理速度を規定している。
A2規格対応のSDメモリーカードは、いくつかの新たな機能を追加した。主にランダム読み出し性能を向上させる「コマンドキューイング」機能、主にランダム書き込み性能を向上させる「キャッシュ」機能、そしてメモリアクセス性能を改善する「セルフメンテナンス」機能などである。
この結果、ランダム読み出し速度は最低4000IOPS(IOアクセス/秒)、ランダム書き込み速度は最低2000IOPSを実現することができる。1A規格ではそれぞれ1500IOPS、500IOPSとなっており、大幅に実行性能を改善することができる。シーケンシャルの読み出し/書き込み速度はA2、A1規格とも同じで最低10Mバイト/秒である。
さらにVer 6.0仕様では、1.8Vの単一LVSにも対応した。モバイル機器向けチップセットを用いた低消費電力設計に有用となる。LVS対応のメモリカードは下位互換性があり、3.3V信号電圧に対応した従来のホスト機器でも利用することができる。
メモリカードの読み出し/書き込み性能を改善したことで、機器に実装されたMicroSDメモリーカードから直接、アプリを実行することもできるという。これにより、機器に内蔵するメモリ容量に制限があるような用途では、システムコストの低減につながる可能性が高い。
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