東芝は2017年2月22日、64層積層プロセスを用いた512Gビット(Gb)の3D NANDフラッシュメモリ「BiCS FLASH」のサンプル出荷を2017年2月上旬に開始したことを発表した。
東芝は、64層積層プロセスを用いた3次元構造のNAND型フラッシュメモリ(3D NAND)「BiCS FLASH」(512Gビット容量)のサンプル出荷を2017年2月上旬に開始したと発表した。同年2月5〜9日に米国サンフランシスコで開催された「ISSCC 2017」で、Western Digitalと共同で発表した成果となる。
同製品は、3ビットセルを用いた容量512Gビット製品となる。回路技術やプロセスを最適化してチップサイズを小型化したことで、従来の48層積層プロセスを用いた256Gビット品と比較し、単位面積当たりのメモリ容量を約1.65倍に大容量化している。1枚のシリコンウエハーから生産するメモリ容量を増やすことで、ビット当たりのコスト削減も実現したという。
データセンター向け大容量SSDやPC向けSSDを中心に展開し、2017年後半の量産開始を予定する。2017年4月には、512Gbのチップを1つのパッケージ内に16段積層することにより、業界最大容量とする1Tバイト品のサンプル出荷を行う予定だ。
今回発表したBiCS FLASHのサンプル価格は非公開。東芝は、2016年7月に64層の256Gb品を発表しており、広報・IR担当者によると既に一部の顧客向けに量産を開始している。「顧客の要望に合わせて、両製品ともに展開していく」(担当者)と語る。
なお、東芝は2017年2月14日に記者会見を開き、既に分社化することを発表しているメモリ事業新会社の過半の株式売却を検討していることを明らかにしている。
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