55円とFITの買い取り価格が高いこともあり、注目が集まっている小型風力発電。安川電機が小形風力向けのパワーコンディショナー(PCS)を投入する。小型風力発電の黎明期からサンプル出荷を行ってきた経験や、系統連系実績が強みだ。
安川電機は「スマートエネルギーWeek 2017」(2017年3月1〜3日、東京ビッグサイト)内の「第7回 国際スマートグリッド EXPO」に出展し、新開発の小形風力発電用のパワーコンディショナー(PCS)「Enewell-WIN」を披露した。価格はオープンとしている。
太陽光発電用の「Enewell-SOL」など、既にPCSで実績のある安川電機。小形風力用のEnewell-Winはこうした技術を活用した200V級のPCSだ。定格出力4.5kW(キロワット)と5.8kWの2種類を展開している。変換効率は96%、外形寸法は680×420×200mm(ミリメートル)、使用温度範囲は−20〜45度だ。
市場に登場しているさまざまな小形風車の特性に対応するため、風車特性を入力する電力変換テーブルを32点設けたのが特徴だ。利用する風車の特性にあわせて、細かく設定を行えるようにした。風力発電に適した風況の良い場所は、沿岸地域にある場合も多い。こうしたニーズを考慮し、500m以内の沿岸地域でも利用できる重塩害対応モデルもオプションとして用意している。
小形風力の普及課題の1つとなっているのが、FITを利用するための系統連系における電力会社との交渉だ。安川電機のブース担当者は「われわれは2012年頃から、小形風力発電向けPCSのサンプル供給を行ってきており、年単位での実証運転の経験もある。実際の系統連系の実績も複数あり、こうした小型風力に関するノウハウを提供できる点が大きな強みだ」と述べている。
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