エンジニアリングやモノづくり分野の技術進化が、今まで以上に地方の課題解決や魅力発掘の後押しとなる。本連載の主役は、かつて“製造業不毛の地”といわれていた沖縄。第7回では、いつもとは少し視点を変えて海中のロボット競技「沖縄海洋ロボコン」の模様をお届けする。
「第2回 沖縄海洋ロボットコンペティション(沖縄海洋ロボコン)」が2016年11月18〜20日の日程で開催された(※1)。競技会場は、那覇市中心部の国際通りから車で10分ほどの場所にある「波の上うみそら公園」。夏の時期には海水浴を楽しむ観光客でごったがえすが、さすがに11月ともなれば、観光客はまばらだ。時折小雨のちらつく曇天の下、数多くの競技関係者が集まった(図1)。
海洋ロボコンというとあまり聞き慣れない競技だが、それもそのはず。「水中でのロボットコンテストは幾つか開催されているが、“海”を舞台にしたロボットコンテストは世界でも珍しい」(主催者)という。
陸上から海中のロボコンを遠隔操作する「ROV(Remotely Operated Vehicle)部門」、ロボットが自律的に動きゴールを目指す「AUV(Autonomous Underwater Vehicle)部門」、新技術やアイデアの内容を競う「フリースタイル部門」の3部門に分かれて実施される。今回は、九州・沖縄地域の大学や職業能力開発大学校を中心に、合計11チームが参加した。
いかんせん「海中」のロボット競技なので、陸上からはロボットが動いている様子がほとんど分からない……という取材者泣かせのイベントだったが、できる限りの写真と詳細レポートで、各部門を勝ち上がったロボットの特徴やイベントの雰囲気をお伝えしたい。
主催者によれば、2017年には第3回を開催するとのこと。興味のある企業や大学の皆さんは、本稿で雰囲気をつかんでいただき、参加を検討してはいかがだろうか。
※1: 主催は、沖縄海洋ロボットコンペティション実行委員会、琉球大学地域連携推進機構
海洋ロボコンの競技内容や結果を紹介する前に押さえておきたいのが、陸上のロボコンと海洋ロボコンの違いだ。
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