日本ナショナルインスツルメンツ(日本NI)は、ユーザーイベント「NIDays2016」で会見を開き、自動運転時代の車載ソフトウェアテストの手法について説明した。
日本ナショナルインスツルメンツ(日本NI)は、ユーザーイベント「NIDays2016」(2016年10月26日、東京コンファレンスセンター品川)において会見を開き、自動運転時代の車載ソフトウェアテストの手法について説明した。
米国本社National Instruments(NI)でグローバルオートモーティブ担当 バイスプレジデントを務めるステファノ・コンチェッツィ(Stefano Concezzi)氏は「人工知能(AI)などの活用が見込まれる自動運転では、従来通りのテスト手法では対応できなくなる」と強調した。
自動運転車は、車両単体でADAS(高度運転支援システム)などによって実現する技術に加えて、外界との通信を行う「コネクテッドカー」によって実現する技術が融合していくことになる。自動車のプログラム規模は、既に高級車で1億行とも言われている。この状態から、自動運転技術の開発がさらに進展すると、車載ソフトウェアのテストは、技術革新への対処、コスト削減要求、品質の確保という3つの課題に対応しなければならなくなるという。
コンチェッツィ氏は「この厳しいテスト要求を満足できるのが、NIのオープンなテストソリューションだ」と主張する。NIのグラフィカルシステム開発環境「LabVIEW」や、PXIインタフェースを用いた計測ハードウェアにより柔軟に対応できるとする。NIのパトナー企業は1000社を超え、1997年に策定されたPXIは、今や60社以上から2000種類以上のモジュールが発売されている。この、オープンなソフトウェアとハードウェアから成るNIプラットフォームとエコシステムであれば、自動運転時代の厳しいテスト要求を満足させられるというわけだ。
実際、近年になってNIプラットフォームの自動車関連での採用事例が広がっている。PSAグループは、ADASのHIL(Hardware in the Loop)テストに採用することで、試作回数を30%削減するとともに、テストベンチの利用回数を2倍に増やしたという。またアウディ(Audi)は、76〜82GHz帯のミリ波レーダーをテストするのに、LabVIEWやプログラマブルなFPGAを搭載するPXIモジュールを活用している。
コンチェッツィ氏は「HILのようなリアルタイムテストと、ミリ波レーダーのようなRFテストを同時に実施できるのはNIプラットフォームだけだ。自動運転車におけるシステムレベルのテストには、ぜひNIプラットフォームを使ってほしい」と述べている。
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