製造時に自然発生する「指紋」で個体を認証する「物体指紋認証技術」を利用した製造業向け個体識別サービスをNECが提供開始した。撮影するだけでの個品識別が可能となるため、柔軟なトレーサビリティを実現する。
NECは同社「物体指紋認識技術」を応用した、製造業向け個体識別サービス「GAZIRU個体識別サービス」の提供を2016年10月28日より開始した。カメラにて撮影するだけで、素材や部品レベルでの個体識別を可能とすることから、より柔軟な個品管理が可能となる。サービス利用料は月額50万円から(初期サポート料金は100万円、いずれも税別)。
同社の持つ物体指紋認識技術とは、工業製品や部品の表面に自然発生する微細な紋様(物体指紋)をもとに個体を認識する技術。同社は2014年に金属における物体指紋認証技術の開発を発表、翌2015年にはプラスチックや塗装物などの判定を可能とする機能強化を発表している。
認証の際には対象物をカメラで撮影し、あらかじめ撮影されたデータと照合することで正誤や真贋を判定する。撮影自体は一般のカメラで行えるものであり、入力された撮影データの処理と認証アルゴリズムが同社ならではの独自技術といえる。
新たに提供を開始した製造業向け個体識別サービス「GAZIRU」においては、撮影方法及び撮影環境の最適化やアルゴリズムの強化によって、従来比10分1の微細な文様を確認することが可能となった。製造業では既に何らかの生産管理システムが導入されていることも少なくないが、本サービスではAPIの提供によって既存システムやアプリケーションとの組み合わせ利用も可能だ。
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