川崎重工は、人工知能(AI)や情報通信技術を活用してライダーと意思疎通が可能な次世代の二輪を開発する。コミュニケーションを重ねることでライダーの個性を車両に反映させ、カワサキらしい運転の楽しさを進化させていく。
川崎重工は2016年8月25日、人工知能(AI)や情報通信技術を活用してライダーと意思疎通が可能な次世代の二輪を開発すると発表した。コミュニケーションを重ねることでライダーの個性を車両に反映させ、カワサキらしい運転の楽しさを進化させていく。「製品化の時期は未定だが、10年も先のことではない」(川崎重工)という。
ソフトバンクグループのcocoroSBが開発したAI技術「感情エンジン」を採用して、ライダーと言葉でコミュニケーションをとれる二輪を開発する。ライディングを楽しむための適切な情報や、安全に運転するためのアドバイスを提供していく。また、AIがライダーの経験やスキル、ライディングスタイルを理解し、ライダーの個性をマシンのセッティングや制御に反映できるようにする。
同時に、車両や走行に関するデータ、川崎重工の知見などをクラウド上のデータセンターに集める取り組みにも着手した。AIがライダーと意思疎通を図る際にこれらのデータを活用するためだ。
このAI活用は自動運転をにらんだものではないという。「二輪は体重移動などが必要なので運転の自動化が難しい。また、カワサキのお客さまは代わりに運転してくれることを求めていないのも理解している。運転する楽しさを進化させていく上で、ライダーと意思疎通が図れるモデルを作っていきたいと考えた」(川崎重工)という。
cocoroSBの「感情エンジン」に関しては、ホンダとソフトバンクが四輪で活用するために共同研究を開始すると発表している。言葉で意思疎通を図り、ドライバーの相棒となるクルマの開発を目指しており、川崎重工の取り組みとも共通した部分が多いといえそうだ。
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