製造現場のIoT活用を成功に導く5つのポイント(2)
PoC(概念実証)を実施すべき理由と検証時のポイント(1/3 ページ)
IoTコンサルタントとして、主に製造業でのIoT導入を支援してきた筆者の経験を踏まえ、工場(製造現場)におけるIoT導入を進める上で「まず考えておくべきこと」や「気を付けておきたいポイント」などを詳しく解説する。連載第2回は、IoTの取り組みの中で重要な「PoC(Proof of Concept:概念実証)」について取り上げる。
前回お届けした「IoT導入の目的と取り組みの方向性を考える」では、中小規模の工場でもこれからさらに導入が進んでいくとみられるIoT(Internet of Things)技術に関して、その導入目的と取り組みの方向性について解説しました。
今回は、IoTの取り組みの中で重要なポイントとなる「PoC(Proof of Concept:概念実証)」について取り上げたいと思います。
◎「スマート工場/工場IoT/製造業IoT」関連の 事例、課題、解説 動向など:
» パナソニック佐賀工場は2つの顔を持つ、全長100mの生産フロアで見たスマート工場の可能性
» 製造業が変わらなければならない「理由」とスマート工場の実現に必要な「視点」
» オムロンが示す「産業用ロボットの未来」――人との新たな協調、設備との協調へ
PoCをなぜ行うのか?
以下の図1は、IoTを活用したシステムを簡易的にレイヤー分けしたものになります。
センサーや通信網、見える化のシステムなど、さまざまな製品や技術を組み合わせて実現を目指します。これらは現場環境に応じて取捨選択する必要があります。例えば、温度センサーを使用する場合、測定対象や測定範囲、方式(接触/非接触)など、さまざまな種類が存在します。
他の工作機械でうまくデータが取得できたセンサーでも、違う工作機械で同じようにデータ取得できるとは限りません。接触式のセンサーは、取り付け方や取り付け位置がとても重要です。
また、設置したセンサーから得られたデータだけでは、目的を達成するのに不十分かもしれません。例えば、工作機械の部品温度を測定したところ、時期や時間帯などで変動が見られるような場合、周囲温度も併せて測定して、その影響を除去するデータを蓄積する必要があるかもしれません。
このような懸念がある箇所をあらかじめピックアップし、その検証を行います。こうしたフェーズのことを“PoC”と呼びます。
PoCは、システム規模によっても異なりますが、複数回に分けて行うケースもあります。PoCというフェーズを踏むことで、より確実に、目的を満たすシステムに近づけることができます。また、自分たちのアプローチ(やり方)で目的を達せられそうか、大きな投資をする前に確認できます。逆に、PoCを実施した結果、そのやり方では目的が達せられないとの結論に至るケースもあるでしょう。そうであれば、できるだけ小さな投資(場合によっては損失)で、方向転換または取り組みの見送りを判断できます。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
製造現場のIoT活用を成功に導く5つのポイント
IoTコンサルタントとして、主に製造業でのIoT導入を支援してきた筆者の経験を踏まえ、工場(製造現場)におけるIoT導入を進める上で「まず考えておくべきこと」や「気を付けておきたいポイント」などを詳しく解説する。
この記事の著者
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社 Green AI] 自動車業界には好機 脱炭素×コスト削減×現場改善を実現するエネルギー戦略 -
製品資料
[株式会社 Green AI] 脱炭素投資をすぐ回収したい 自動車業界にも有効なCO2削減アプローチ -
市場調査・トレンド
[スマートジャパン編集部] 「ペロブスカイト太陽電池」の普及戦略が公表 政府が目指すコスト・導入量のロードマップを解説 -
市場調査・トレンド
[スマートジャパン編集部] 導入が加速する再エネ・系統向け蓄電システム コスト・収益性の現状分析 -
技術文書・技術解説
[スマートジャパン編集部] いまさら聞けない「ペロブスカイト太陽電池」の基礎知識と政策動向
関連記事
こんなメディアも見られています
TechFactoryに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
特集
- マテリアルズ・インフォマティクスの動向調査
- 研究・開発職のデジタル活用調査
- 設計・解析業務におけるAI活用
- 3Dプリンタ利用動向調査
- CAD利用動向調査
- つながる工場の現状と課題
- 製造業におけるAI開発および活用の実態
- 設計・製造現場における品質管理
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
CAE解析をAIエージェントに任せてみた 人は何を担うのか
-
2
「見て覚えろ」が通じない時代 製造業の保全技術はどのように継承すればよい?
-
3
EE Times Japan×EDN Japan 統合電子版:製造現場にフィジカルAIをどう実装するか――電子版2026年9月号
-
4
スマート工場動向調査2026
-
5
はじめての化学工学まとめ(Part1)
-
6
QC活動の形骸化はどう防ぐ? 実効性のある業務へ転換する3つの解消策とは
-
7
自律走行搬送ロボット(AMR)の位置推定と自律走行はどこまで高精度化できる?
-
8
動き出したファナックの「フィジカルAI」
-
9
製造現場などを支える状態監視システム サンプリングの位相ずれを減らすには?
-
10
【読者調査結果】製造業の脱炭素動向調査2026
TechFactory SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechFactoryをフォロー