シリーズ「モノづくりの現場から」(パナソニック ES社 新潟工場)
LED照明市場の変化に合わせてモノづくり革新を推進するパナソニック 新潟工場(2/4 ページ)
「安く」「安心」「早く」――新潟工場が目指すモノづくり
新潟工場のこうした取り組みの根底には、パナソニックのモノづくりビジョンがあるという。同社 ライティング事業部 ライティング機器ビジネスユニット 新潟工場 工場長の森川誠氏は、「パナソニックのモノづくりの強みを掛け合わせて、お客さまとともに社会の課題を解決するという考え方をベースに、新潟工場ではモノづくりの革新に取り組んでいる」と話す。
実際、新潟工場が目指すモノづくり革新は、「安く(低コストと柔軟性の両立)」「安心(不良を作らない、流出させない)」「早く(顧客ニーズに素早く対応)」の3つのキーワードを軸に推し進められ、さまざまな施策を打ち出している。
今回、その具体的な取り組みとして、“安く”を実現する「高速自動組み立て」「ロボットと人の協業」、“早く”を可能にする「設備稼働の見える化(IoT導入)」、“安心”を支える「AIによる外観検査」の活用状況を見ることができた。その様子を紹介しよう。
高速自動組み立て
新潟工場では、生産数量に応じて生産方法を柔軟に変化させている。例えば、生産数量の多い品種は専用自動機による高速大量生産で対応し、多品種少量のものは人に依存するモノづくり(セル生産方式)を中心に取り組んでいるという。
このうち、専用自動機による高速大量生産に関しては、「ラインを止めずに品種切り替えができること」「拡張性のある自動組み立て機を作ること」を重点に検討し、設備の汎用(はんよう)性と柔軟性を追求。「具体的には、設備のプラットフォーム化(標準化)を実現し、ラインの組み換えを自由にできるように設計した。これにより、従来平均5分程度かかっていた品種切り替えが、1分程度で実現できるようになり、生産性を上げることができた」(森川氏)
iDシリーズの最終組み立て工程では、前工程、中工程、後工程を自動化。具体的には、電源をフレームに取り付けた仕掛かり品が投入されると、電源をフレームにかしめ、QRコードを照合、LEDモジュールをフレームに密着させ、LEDモジュールが全て点灯するかを検査し、検査を通過したフレームとカバーを嵌合し、特性検査(点灯確認、入力電流、絶縁抵抗、耐電圧、調光機能確認)を経て、最終梱包(こんぽう)が行われる。この一連の作業を超高速な専用自動機で実現しており、わずか4秒弱で1製品を生産することが可能だ。なお、iDシリーズは品番が多数あるため、設備の切り替えは生産指示書カードに記載のQRコードによって行われ、1分以内のランニングチェンジを可能にしているという。
ロボットと人の協業
一方、多品種少量生産に対応するセル生産方式に関しても、将来の労働人口不足を見据え、ロボット活用を推進。双腕ロボットと人の作業をシンクロさせることで、人の生産性の向上を図り、これにより人生産性が約30%向上したそうだ。
実際、ネジ締め工程では作業者と双腕スカラロボット「duAro」(川崎重工)がネジ締め作業を分業。従来は2人の作業者が1つの材料に対して手分けしてネジ締めを行っていたが、ロボットを活用することで1人分の人件費を削減でき、生産性向上が図れるという。なお、(iDシリーズは)製品の尺が長いため、材料の投入はロボットよりも作業者の方が適しているとのことだ。また、全てをロボット(専用設備)にしてしまうとコストもかかり、柔軟なレイアウト変更ができなくなってしまうため、このような方式を採用しているそうだ。
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シリーズ「モノづくりの現場から」
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