シリーズ「モノづくりの現場から」(アイリスオーヤマ つくば工場)
“1ライン1人体制”を実現する、アイリスオーヤマ「つくば工場」の自動化ライン(1/3 ページ)
スマート工場の実現に関心が集まる中、国内製造業の現場ではどのような取り組みが行われているのだろうか。産業用ロボットやAGV(無人搬送車)を活用し、LED照明の製造ラインを自動化したアイリスオーヤマ つくば工場(茨城県稲敷郡阿見町)を取材した。
ロボットを活用した生産ラインの完全自動化を実現する「つくば工場」
ドイツの「インダストリー4.0(Industrie 4.0)」などを背景に、国内外でスマート工場の実現を目指す動きが加速している。日本でも経済産業省が「Connected Industries」を掲げ、国内産業の目指すべき姿を示しているが、その柱の1つに「人と機械・システムが対立するのではなく、協調する新しいデジタル社会の実現」がある。ここでは、AIやロボットを課題解決のツールとして積極的に活用することをうたっている。
製造業が抱える人手不足(人材不足)問題の解消を例に挙げると、AIやロボットが人間の仕事を奪うのでは? と恐れたり、敵視したりする声も聞かれるが、「協調」とある通り、“うまく活用すること”をConnected Industriesのコンセプトでは推奨している。
◎「スマート工場/工場IoT/製造業IoT」関連の 事例、課題、解説 動向など:
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ロボット活用の観点でいうと、従来は大量生産(モノをたくさん作ること)を目的に産業用ロボットが製造現場に導入されたが、今日ではAI技術を融合させた“知能ロボット”としての期待が寄せられ、多品種少量生産やスマート工場の実現に欠かせない存在として注目されている。
実際、産業用ロボットやAGV(Automatic Guided Vehicle:無人搬送車)を活用して、製造現場の自動化に積極的に取り組んでいる企業が増えつつある。
その代表的な企業の1つが、アイリスオーヤマだ。同社は、国内9番目となる「つくば工場」(茨城県稲敷郡阿見町)を新設し、2018年4月から本格稼働を開始している。ここでは、LED照明の生産を行っており、産業用ロボット(垂直多関節ロボット)やAGVを活用した自動化ラインによって、基板実装から製品の梱包(こんぽう)までを一貫して行っている。
製造工場と物流倉庫を一体化し、“流通のムダ”をカット
アイリスオーヤマは、LED照明のより一層の需要拡大、2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックに伴う市場拡大を視野に、つくば工場を新設。首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の阿見東インターチェンジにほど近く、常磐自動車道、東関東自動車道へのアクセスが容易で、首都圏を中心とした顧客ニーズに対応できる供給体制を構築するとともに、関東エリアの物流拠点としての役割も担う。さらに、埼玉工場(埼玉県深谷市)で生産されるLED照明のプラスチック製部品の供給も、この立地を生かして効率化が図れるという。
アイリスオーヤマの工場は“流通のムダ”をカットするため、製造工場と物流倉庫を一体化しており、最新のつくば工場は国内最大級の自動倉庫(5万1876パレット)を備える。LED照明だけではなく、家電製品や法人向けの建築内装資材を供給する物流拠点として機能し、首都圏を中心とした地域での需要に応える。
つくば工場の敷地面積は6万3213m2で、製造工場兼物流倉庫は地上6階建てで、建物総面積(延べ床)は10万8506m2を誇る。なお、1階部分は自動倉庫の搬入/搬出口となっている。
製造工場の3階では、LED照明(ECOHiLUX ラインルクスシリーズ、LEDシーリングライト)を製造。自動化ラインの実現により、週最大7000台(各アイテム)の生産能力を備える。現在、製造工場および物流倉庫の従業員数は約50人。LED照明の製造工程においては、基板実装ラインに1人、ラインルクスシリーズの生産ラインに1人、LEDシーリングライトの生産ラインに1人と、計3ラインの省人化(1ライン1人体制)が図られており、作業者は主にオペレーション業務を行い、異常時に対応する程度で、ほとんどの工程が完全自動化されているという。
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シリーズ「モノづくりの現場から」
製造現場の見える化や生産ラインの完全自動化など、つながる工場/スマート工場の実現に関心が集まる中、国内製造業の現場では“今”どのような取り組みが行われているのか。国内工場を巡り、その実態に迫る。 ◎次のキーワードに興味・関心のある方にオススメ:[スマート工場][製造現場][生産ライン][自動化][製造業IoT][インダストリー4.0][カイゼン]
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