IoTセキュリティの現実的な仕組みと課題(2)
「脅威」や「リスク」を想定することが、IIoTセキュリティの第一歩(1/3 ページ)
工場や重要インフラで利用されつつある「インダストリアルIoT(IIoT)」の世界に着目し、IoTセキュリティの現実的な仕組みと課題について解説する本連載。第2回では、そもそもIIoTとは何か? その基礎や「インダストリー4.0」に代表される第4次産業革命の実現を目指す各社の動きを紹介すると同時に、自転車工場とマイクロ水力発電所を例に産業用システムのセキュリティを考える際のポイントを解説する。
IIoT(インダストリアルIoT)とは何か?
「インダストリアルIoT(Industrial IoT:IIoT)」とは、産業用のIoT(Internet of Things)のことで、特に「インダストリー4.0」などで提唱されている産業システムの新しいモデルを指す。米国で「インダストリアルインターネットコンソーシアム(Industrial Internet Consortium:IIC)」が立ち上がり、中国で「中国製造2025」が、そして意外かもしれないがロシアでも「4.0RU」が始動した。それぞれ細かな差異はあるものの、製造業の競争力を高めるためにIoTの技術を利用することをうたっており、「スマートマニュファクチャリング」「スマートファクトリー(スマート工場)」といわれることもある。
なお、前回の記事も含めて“IoT”と書いているものは“IIoT”を対象としているため、「CPS(Cyber Physical System)」と呼ばれるITの世界と現実の世界がつながった環境とほぼ同じであり、仮想世界から現実世界に何らかのちょっかいが出せるという前提であることを繰り返し述べておく。
インダストリー4.0では参照モデルとして「RAMI4.0(Reference Architecture Model Industrie 4.0)」を、IICでは「IIRA(Industrial Internet Reference Architecture)」を公開している。これらの参照モデルは何のためにあるのか? という疑問に対する答えはあるが、どのように使えばよいか? という悩みへの適切な回答は極めて難しい。IICでは参照モデルが機能するかどうかも含めて、実際に試して評価を行う「テストベッド」と呼ばれるプロジェクトを構築し、使用している。
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では、そもそもどのような目的でこの新しいモデルを推進しているのだろうか。インダストリー4.0を主導するドイツの研究機関Fraunhofer IESEのWebサイトでは、次のように記されている。
ネットワーク化された製造設備は自律動作し、異なる条件に応じて適切に自律制御することができ、自己構成し、知識ベースに基づき、センサーを装備し、空間に分散することができ、適切な計画管理システムを含む。
これは“デジタル化”によって工場だけではなく、製造設備そのものが最適に動作し、ロボットや工作機械などが自律動作することで製造工程の完全な自動化が可能になることを意味する。例えるならば、映画『Iron Man(邦題:アイアンマン)』の中でアイアンマンスーツを製造、修理するロボット群のようなイメージだろうか。
自動車工場であれば、シャシーは必要な部品の組み付け情報などを含めてラインを流れてくる。これをロボットや工作機械が読み取って組み立てて、加工する。それだけではなく、ロボットや工作機械同士がコミュニケーションできることも想定している。これをインダストリー4.0では「ダイナミックセル生産方式(DCMS:Dynamic Cellular Manufacturing System)」と呼び、細かな顧客の要求に応じてリアルタイムに生産できる仕組みのことを指す。
一方、現在日本で運用されている多品種少量生産は、生産現場の人間が高い順応性を持つことによって実現しているが、これを自動化するということでもある。ただ、そのために解決しなければならない現場課題がたくさんあるのも事実だ……。
- どの順番でどうやって部品を流すのか、どうやって最適化するのか?
- 工程に人が介在する場合、どうやってリアルタイムで情報を共有するのか?
- 組み付け時の治具が異なる場合、治具もコミュニケーションしてリアルタイムに対応できる必要があるのではないか? など
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IoTセキュリティの現実的な仕組みと課題
デジタル(サイバー)世界と現実世界を橋渡しする「IoT(Internet of Things)」の仕組み。その可能性や利便性についての話題は尽きないが、IoTのセキュリティリスクに関してもしっかりと情報収集し、対策を講じるべきである。本連載では、工場や重要インフラで利用されつつある「インダストリアルIoT(IIoT)」の世界に着目し、IoTセキュリティの現実的な仕組みと課題について解説する。
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