設計者CAEは普通の解析と何が違う?(7)
「設計者CAE」は詳細設計プロセスと同期しながら現場主導で進めよ!!(2/3 ページ)
設計者CAEは“設計現場主導”で推進せよ!
解析結果に大きな影響を与える要因というものを、はじめから筆者も分かっていたわけではありません。ただ1ついえるのは、机上での解析の積み重ね以上に、実機での事象から得られる“気付き”が大切であり、それが何よりも代えがたい経験になるということです。
過去筆者は、ある組み立て装置の実機において、「電源投入後の架台内部の温度変化に伴い、経時変化的(時刻歴的)に組み立て精度が変化した」という経験をしたことがあります。設計者CAEは、机上の経験だけではなく、実設計業務や実機での経験が重要であるといえます。そのため、設計者CAEは“設計現場主導”であるべきで、そこに工学理論の展開を行うべきだと筆者は考えます。
“解析の進め方”を定めたシナリオ作成について
このように、設計部門と解析担当者とで作り上げていくDFMEAシートによって、当初予測していたリスクの検証が行われ、問題の未然防止に役立てることができます。
このDFMEAシート以外にも、解析の進め方を決めていくシートを作ることも可能です。例えば、今回の事例では、
(1)構造解析
(2)熱伝導解析
(3)構造解析+熱応力連成解析
と進めていますが、さらに架台内の熱源に対する温度分布の解析や、送風および排気ファンによる「熱流体解析」といったプロセスも必要になる場合もあります。これらを体系的に行うためには、解析の進め方を定めたシナリオ作成も有効です。
参考として、架台内の流体解析を行ってみました。この図では架台内の熱源となる電装BOX表面に温度設定を行い、この温度の影響による架台内の熱流体解析計算を実施。任意断面の流体(空気)の温度分布を定常解析として行っています。
この結果から、熱を架台外部へ排出させる手段を検討し、送風と排気のためのファンを設置する流れへと設計プロセスは進み、再度解析を行い検証することになります。
◎併せて読みたいお薦めホワイトペーパー:
» 設計者が実施すべき解析“3つ”のポイントと最新CAE技術動向
» 市民権を得たCAE、解析へのクラウド導入で44%が望む「要件」とは?
» クラウド型CAE、設計・解析者の約50%がコスト削減、解析速度/品質向上に期待
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
設計者CAEは普通の解析と何が違う?
「設計者CAE」という言葉が設計現場で聞かれるようになって久しいですが、3D CAD推進とともにきちんと設計者CAEに取り組んでいる企業もあれば、まだ途上あるいは全く着手していないという企業もあるかと思います。本連載では、設計者CAEがもたらすメリットや実際に導入していく上での注意点を、現場目線でご紹介します。◎こんなキーワードに興味のある方にオススメ:[CAE][設計者CAE][3Dデータ][3D推進][3次元設計][設計品質向上][ツール導入]
この記事の著者
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社 Green AI] AIで脱炭素計画を最適化、初年度からエネルギーコストとCO2を削減する方法 -
市場調査・トレンド
[スマートジャパン編集部] 「ペロブスカイト太陽電池」の普及戦略が公表 政府が目指すコスト・導入量のロードマップを解説 -
市場調査・トレンド
[スマートジャパン編集部] 導入が加速する再エネ・系統向け蓄電システム コスト・収益性の現状分析 -
技術文書・技術解説
[スマートジャパン編集部] いまさら聞けない「ペロブスカイト太陽電池」の基礎知識と政策動向 -
技術文書・技術解説
[スマートジャパン編集部] 「ペロブスカイト太陽電池」の開発動向、日本の投資戦略やコスト目標の見通しは?
関連記事
こんなメディアも見られています
TechFactoryに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
特集
- マテリアルズ・インフォマティクスの動向調査
- 研究・開発職のデジタル活用調査
- 設計・解析業務におけるAI活用
- 3Dプリンタ利用動向調査
- CAD利用動向調査
- つながる工場の現状と課題
- 製造業におけるAI開発および活用の実態
- 設計・製造現場における品質管理
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
EE Times Japan×EDN Japan 統合電子版:フィジカルAIが生み出す新たな「設計思想」――電子版2026年8月号
-
2
半導体装置メーカー 業績まとめ【2027年3月期第1四半期】
-
3
新入社員に読んで欲しい鉄鋼材料の基礎知識まとめ(Part4)
-
4
一時は時価総額トヨタ超え キオクシア2026年度の動向
-
5
微細配線間の絶縁劣化をどう捉える? 先端パッケージ評価の最前線
-
6
新入社員に読んで欲しい鉄鋼材料の基礎知識まとめ(Part1)
-
7
EE Times Japan×EDN Japan 統合電子版:2026年上半期の半導体業界を振り返る――電子版2026年7月号
-
8
新入社員に読んで欲しい鉄鋼材料の基礎知識まとめ(Part3)
-
9
CADツールの見直しは本当に必要? 切り替えの理由と効果を7つの質問で検証
-
10
新入社員に読んで欲しい鉄鋼材料の基礎知識まとめ(Part2)
TechFactory SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechFactoryをフォロー