製造現場でこそ使いたい! Fusion 360の魅力(2)
使って分かった「Fusion 360」を製造現場で活用すべき理由【CAM編】(2/3 ページ)
「メインプロセッサ」と「ポストプロセッサ」
NC工作機械のメーカーは世界中に数多く存在し、機械の動作をつかさどるNC装置のメーカーも実にさまざまです。しかも、このNC装置は全世界で統一された言語で働くようにはできていません。そのため、異なるメーカーの機械を複数台使うような加工現場では、全ての機械に対して、自分の仕事内容をきちんと理解させるための言語環境を整える必要があります。ここで登場するのが、前述の「ポストプロセッサ」です。
CAMは“演算担当”であるメインプロセッサと、“翻訳担当”であるポストプロセッサの2つのプロセッサで構成されています。メインプロセッサは、人間の手によって入力された「CADデータ」と「材料情報」「工具情報」「切削条件」などの情報を基に計算し、「ツールパス」と呼ばれるツールの軌跡情報を作成します。
ポストプロセッサは、メインプロセッサが出した軌跡情報をNC装置ごとの言語に翻訳して、NCプログラムとして出力します。例えば、メーカーが異なる複数のNC工作機械で数物の加工を手分けして行いたいとき、CAMを使えばそれぞれの機械に合わせたプログラムを速やかに作成できます。それによって、人間が機械の数だけGコードを打ち込んで回るという作業をしなくて済むようになります。
※Fusion 360の最新ポストプロセッサ情報はこちらから検索できます。
⇒ https://cam.autodesk.com/hsmposts?
ツールパスを動画で確認できるシミュレーション機能
Fusion 360 CAMには、出来上がったツールパスを動画で確認する「シミュレーション」機能が備わっており、実際の加工前に切削の様子を視覚的にチェックできます。シミュレーションでは、パスの設定段階で指定した粗加工から仕上げ加工の間の取り残し量が、工程の進行につれてキレイに削り取られていく様子を見ることもできます。
また、本番さながらに、バイスや治具に固定した状態での工具やホルダーの干渉チェックが画面上で行えるため、加工本番前に行う「ドライラン」の時間も短縮できます。
CAMに任せた方が経済的かつ効率的なプログラムを手早く作成できるということで、Fusion 360 CAMの優れた機能「負荷制御加工」にも触れておきます。この機能はStandard版、Ultimate版どちらにも標準装備されています。
他社では有料オプションにされていることの多いこの機能ですが、2D切削、3D切削での粗加工において、加工時間の短縮と工具寿命を延ばす効果がとても高いものです。従来のポケット加工と負荷制御切削でのポケット加工におけるツールパスの違いを見てみましょう。
「従来通り」は、刃物をポケットのコーナーにきっちり当てていくパスになっています。このとき刃物には、局部的に高い負荷がかかります。そのため、一般的には工具の破損を避けるために切り込み量をできるだけ少なくして、数段階を経て徐々に切削するプログラムを作ります。すると結果的に、加工時間は長引き工具寿命も短くなってしまいます。
対する「負荷制御切削」では、従来のような浅い切込みを何回も繰り返す必要がなく、刃長全体をふんだんに使って、一定の負荷で一気に削っていくパスを作ることができます。つまり加工時間を大幅に削減でき、刃の摩耗幅が均一になり、工具寿命が延ばせます。このような、「加工時間が短縮できて工具も長持ちするパス」を、誰もが同じように考えて手組みできるとは思えませんから、Fusion 360 CAMによって作業が効率化され、よいモノができるといえます。
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製造現場でこそ使いたい! Fusion 360の魅力
個人ユーザーを中心に人気を集めるオートデスクのクラウドベース3D CAD「Fusion 360」。ホビーユースだけではなく、本格的な設計業務でも活用できるというが、果たして本当なのか? “ママさん設計者”として活動する筆者が、現場目線でFusion 360の有効性や活用メリットを探る。
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