IoT時代の組み込み系ソフトウェア品質(10)
IoT開発と運用の13問答、IPA/SEC「つながる世界の品質確保に向けた手引き」より(5/6 ページ)
問答7:長期安定稼働の維持方法はどうなっているのか
IoTの特性に着目したテスト設計として「長期安定稼働の維持方法はどうなっているのか」を問う。長期稼働には運用が重要で、そのためには運用ログやアップデートが必要になる。
この答は、テストではこのログ収集やアップデートに対するテストがされているかどうか、障害が発生したときに障害解析機能がどうなっているかをテストすることである。問答7のキモはまさに「運用のキモ」である。
問答8:大規模・不確定データの検証環境構築と試験効率化はどうなっているのか
IoTの特性に着目したテスト設計として「長大規模・不確定データの検証環境構築と試験効率化はどうなっているのか」を問う。
これに対する答は、テスト環境は設計段階から考え始めることである。これがIoTのオキテである。多数接続された大量のデータに対するテスト環境を整えるのは並大抵のことではない。設計段階からテストのことを考えて、テスト設計とそのテスト環境の構築準備をする必要がある。テストを後回しにすると、痛いしっぺ返しを食らうだろう。問答8から学ぶべきことは「IoTテストでも準備は早めに」である。
問答9:テストのしやすさと実施可能性を考えているのか
IoTの特性に着目したテスト設計として「テストのしやすさと実施可能性を考えているのか」を問う。
これに対する答は、テストをしやすくするためにはどんな苦労も努力もすることである。テストのためなら設計変更も辞さない。つまりテスト容易化設計(Design for Test)であり、テストのための設計である。IoTのテストは甚大になるので、これは生産性向上にも品質向上にも納期短縮にも結局は有効な手段になるだろう。問答9からの教訓は「急がば設計変更」である。
問答10:テストの効率的実施とエビデンスはどうなっているのか
IoTの効率的なテストとエビデンスの課題からは「テストの効率的実施とエビデンスはどうなっているのか」の問を投げかける。
この問答には2つの要求がある。1つはテストの効率的実施であり、例えば、テスト環境に応じたテスト順序や組み合わせを考える。もう1つはテストのエビデンスを残すことであり、テスト結果だけでなく、テスト実施者の体感も残すと良い。なぜ体感を残すのがいいかと言うと、IoTではユーザビリティなどしばしば主観的に評価する場面が出てくる。これを柔軟に評価するためにも体感もエビデンスとして残す。問答10の心は「証拠を残すメモ魔になること」である。
問答11:運用中の変化を捉え、影響やリスクを考慮した運用計画を立てているか
IoT品質を維持・改善するための運用計画の課題に対して「運用中の変化を捉え、影響やリスクを考慮した運用計画を立てているか」を問う。IoTシステムの時間経過による変化と時間経過による品質維持のための運用計画を問うている。
これに答えるにはリリース後の変化をつかむために定期的な品質確認をするなど、運用面での品質維持の計画策定が必要である。またユーザー視点で品質維持ができているかを確認するために、評価基準を決め、フィードバックをすることである。問答11のキモは「IoTが無常であると悟ること」である。
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IoT時代の組み込み系ソフトウェア品質
組み込みソフトウェアにおける「品質」とは、一体、何者であろうか。多用されている言葉であるがその実態はようとしてしれない。この連載ではIoT時代の組み込み系ソフトウェアの品質」をテーマに開発現場の目線で見ていく。出演者は情報系に籍を置く大学1年生の紅美 香美(くみ こうみ)と品質 寛容(しなしち ひろい)。
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