IoT時代の組み込み系ソフトウェア品質(6)
上流工程の品質活動でソフトウェアの品質は向上するのか(1/6 ページ)
品質を守る最後の砦が「テスト」であれば、品質向上の最強の武器は「上流工程での品質活動」である。しかし、この武器は効率的かつ小気味よく扱わねば、お飾りとなる。そこで今回はこの「上流工程における品質活動」について確認する。
品質の作り込み
品質は結果として得られるものではなく、自らの意志で作るものである。言い換えれば、品質は「上流工程から始める品質活動で作りあげていくもの」である。
テストでは品質の弱点、上流では品質の美点
テストはどうしても作った製品や途中の成果物を確認して、その品質の弱点を見つける活動になる。つまり、弱そうなところ、バグが多そうなところを見つける活動になるが、上流工程での品質活動は、全体を考えて品質の美点を作りこむことに主眼が置かれる。いずれも品質に関する取り組みながら、姿勢は大きく異なる。
この違いは実施する時期に大きく起因する。夢多き初期に実施するのか、それとも夢破れた終末で実施するのかでは、品質に対する考え方が違ってくる。しかし、どちらか一方だけで品質を高めようというのは誤りである。上流でも下流でも、品質の美点と弱点を見て、品質を高めていくべきである。
最上流である企画段階ではソフトウェアシステムあるいは製品の狙いを考え、それに応じた品質を検討する。この結果、どうしても品質の美点を求め、深く追及することになる。「~したい」という美点に対する要望型の要求が増えることになる。もし、「~でなければならない」という要求があったとしても、それは弱点克服を要求しているのではなく、美点要求を脅迫しているのである。そして設計段階でも美点をどのように効率よく実装するかに力が注がれる。
品質の弱点になりそうなところを企画段階で考慮するのは、セキュリティ品質ぐらいだろう。組み込み系システムでは伝統的に性能効率性が求められているので、これも企画段階から検討される。組み込み系システムに対する万能の反対意見として「バッテリーの持ち」があるものの、これは品質の弱点を気にするというより、取りあえず文句を言いたい程度の意見であることが多い。企画段階で品質の弱点を気にするのはこれくらいであり、下流工程のテストから見ればまだまだ物足りない。
上流工程であっても美点と同時に弱点も考慮し、その要求を分析し、設計していかなければならない。テストでも同様に、欠点を暴き出すだけでなく、美点を確認しなくてはならない。美点と弱点は品質という自動車の両輪である。
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IoT時代の組み込み系ソフトウェア品質
組み込みソフトウェアにおける「品質」とは、一体、何者であろうか。多用されている言葉であるがその実態はようとしてしれない。この連載ではIoT時代の組み込み系ソフトウェアの品質」をテーマに開発現場の目線で見ていく。出演者は情報系に籍を置く大学1年生の紅美 香美(くみ こうみ)と品質 寛容(しなしち ひろい)。
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