IoT時代の組み込み系ソフトウェア品質(4)
ソフトウェアの品質は「制御」できるか(1/6 ページ)
組み込みソフトウェアの「品質」を計測した後には、その向上を図らなければならない。しかし品質はむやみに向上させるものではなく、状況に応じた最適な品質になるように制御するものである。
品質はむやみやたらと向上させれば良いというものではなく、制御するものである。状況に応じた最適な品質になるよう制御できればよいが、どう制御するのか、そもそも制御できるのかといった課題もある。そして、品質を制御する私たちの前には何が待ち受けているのか。今回は品質制御の苦しみと楽しみを見ていくことにする。
品質劣化の原因
まずは品質を悪くするもの、品質劣化の原因を探っていこう。品質制御はこの劣化原因を制御することでもある。
品質に影響を与えるもの
品質に影響を与えるものは、まずは時間「トキ」である。品質制御に掛ける時間がなければ、当然、品質は劣化する。次に「モノ」や「カネ」である。品質制御に必要なモノやカネがそろわなければ品質制御はしにくい。そして品質制御に最も大きな影響を与えるのは「ヒト」である。どんなに時間があってもどんなにお金があってもどんなにモノがそろっていても、ヒトが品質制御をうまくできないと全てが台無しになる。
ソフトウェア品質に影響を与えるものを、もっと具体的に見ていこう。大きなくくりになるが、ソフトウェア製品の短納期リリースや製品の大規模化、複雑化、そしてこれらの結果としての並行開発などが挙げられる。まさにトキとカネ、モノである。さらには技術の高度化(複雑化)やエンジニアの質的低下、世界的な競争激化、技術や要員のオープン化なども品質に影響を与えるだろう。
もう少し細かく見ていくと、上流工程軽視や擦り合わせ不足などがあり、さらに組み込み系であれば、並行動作や割り込み動作の崩れ、無理なアルタイム処理、ハードウェア欠陥もある。さらにIoTでは多数のIoTデバイスの故障や不安定なネットワーク通信、クラウド障害、さらに天候や自然災害などが品質に影響を与えている。品質に影響を与えるものをパラパラと羅列してきたが、とにかく、いろいろある。
つまり、品質に影響を与えるものは多種多様であり、その中から品質劣化の直接原因や根本原因を探り出すのは、砂浜で落としたお金を見つけるくらい難しく、それを制御するのもまた至難の業である。
(予告)品質劣化の犯人を追え!
バグを出した犯人は誰だ?それはプログラマーだ!
……ここまでは名探偵でなくても誰でも分かる。それではバグを出さないようにするためにはどうすればいいのか。そのプログラマーをクビにすることか?そうではない!バグを出した原因をさらに深く探し、それを排除すべきであろう。
そのプログラマーはなぜバグを出したのか?それはインタフェースを間違えていた!という原因が見つかれば、なぜインタフェースミスマッチをしたのか、そのミスをしないためには何をどのように制御すればいいのか。このように、なぜなぜ分析風に探っていくと制御しやすい原因が見つかるかもしれない。
それでは、品質劣化の犯人は誰だろうか、何だろうか。前節で示した「品質に影響するもの」の中に犯人はいる。この犯人捜しをなぜなぜ分析風にマインドマップにしてみると、因果関係が複雑すぎてウニのようなトゲトゲになるだろう。また単独犯でなく複数犯の可能性が高い。この複数犯の情報を付加すると、マインドマップはクモの巣よりもひどいものになるだろう。
それでも何らかの分類軸で犯人探しをして、品質劣化の防犯に努めなければならない。次回以降の記事で、分類軸を工程別にして、上流から下流工程で、犯人探しと防犯(品質制御)について見ていくことにする。
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IoT時代の組み込み系ソフトウェア品質
組み込みソフトウェアにおける「品質」とは、一体、何者であろうか。多用されている言葉であるがその実態はようとしてしれない。この連載ではIoT時代の組み込み系ソフトウェアの品質」をテーマに開発現場の目線で見ていく。出演者は情報系に籍を置く大学1年生の紅美 香美(くみ こうみ)と品質 寛容(しなしち ひろい)。
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