IoT時代の組み込み系ソフトウェア品質(3)
計測で組み込みソフトウェアの「品質」を丸裸にする(1/6 ページ)
ソフトウェア品質を高めるためには、計測が第一のステップとなる。しかし、無形のモノを「はかる」ことには細心の注意を要する。ここではソフトウェア品質を「はかる」ことでの向上を目指す際の心得を紹介したい。
品質を計測することから品質活動が始まる。しかし品質を「はかる」にはいろいろな意味がある。「測る」(測定)はツールなどを使って量を具体的な数値にすることであり、「計る」(計測)は測定などで得た結果から量を推量し把握することであり、「図る」は意図を持って物事を進めることである。品質計測では、計測の1つの方法として測定し、意図を持って何をいつどこでどのように計測するかを決める。
品質計測のオキテ――計測には守るべきオキテがある
品質を計測せずに品質向上させることはできるが、評価は難しくなる、品質計測は最初にやるべきことであり、計測によって分析も評価も行え、施策のやり直しも中止もできる。一方、計測には他にもいろいろなオキテがある。
計測は意図を持って行う
測定とは中立であり誰が測っても同じ結果を得られる。その一方、計測は中立ではない。誰がどんな意図を持って「計る」かで計測結果が異なる。あなたが科学者でなくエンジニアであるのなら、計測が中立だとダマされてはいけない。
あるところをリファクタリングしたい場合、意図を持ってその箇所を中心に計測する。計測箇所もタイミングも全部、意図と合うように調整する。そして大事なのは測定値の解釈を意図通りにすることだ。測定値は誰が測定しても同じであるが、その結果の計測は人の意図によって変えることができる。全部を計測するのがコスト的に無理な時にも、意図を持った計測が有効である。優先度に応じてメリハリの効いた計測を行えばよいのだ(メリハリといっても、手抜きには違いないが)。
ただ、計測が中立であるとユーザーや上司などの周りに信じ込ませるのは都合がいい。信じさせることができれば、品質施策が自分の思い通りに進められるだろう。そこで品質計測のオキテ、その壱は「品質計測が中立でないことは秘密」である。
品質計測は必要
品質計測が絶対必要だとダマされてはいけない。計測しなくても成功することは多い。逆に計測して細かいところばかり目が行くと、失敗する場合がある。エンジニアは計測の必要性に疑問を持つべきである。何でもかんでも計測ありきではない。計測コストを考慮すれば、さらに計測が不要となる閾値は下がるだろう。
部屋をきれいにするための掃除を考えてほしい。掃除をする前に部屋の汚れ具合を計測するだろうか。掃除をした後で部屋のきれいさを計測するであろうか。計測しなくても掃除をすれば部屋はきれいになる。同じように品質計測をしなくても品質向上の施策を実施すれば、品質は向上する。きれいになった!万歳!以上、終わり。
ここまで読んで、品質計測は不要の長物だとダマされてはいけない。掃除では計測することなく、部屋はきれいになり、生活の質は上がる。それなのに、品質ではなぜ計測が必要なのか。掃除と品質はどこが違うのか。
部屋の掃除はルーティンワークであり、明日もあさっても掃除をする。そして年末には大掃除もする。計測とコストのバランスを考えると、圧倒的に計測がコストに負けるのだ。一方、品質計測は繰り返し行うものではなく、大掃除もしない。この場合はコストよりも計測が勝つ。計測はお値打ち品で、計測コストを無視できる。そこで品質計測のオキテ、その弐は「品質計測はお値打ち品なので絶対買い」である。
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IoT時代の組み込み系ソフトウェア品質
組み込みソフトウェアにおける「品質」とは、一体、何者であろうか。多用されている言葉であるがその実態はようとしてしれない。この連載ではIoT時代の組み込み系ソフトウェアの品質」をテーマに開発現場の目線で見ていく。出演者は情報系に籍を置く大学1年生の紅美 香美(くみ こうみ)と品質 寛容(しなしち ひろい)。
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