Renesas autonomy
ルネサスが車載半導体シェア30%を狙う「何が何でも成功したい」(2/2 ページ)
自動運転レベル2の覇権を握る
ルネサスはこれまでも車載半導体を手掛けてきた。そうした意味では、手掛ける事業はそう変わっていない。変わったのは周囲の環境だ。半導体ベンダーはM&Aを繰り返し、市場はADAS/自動運転への要求を強め半導体は高機能化を早めた。Teslaが筆頭に挙がる自動車産業への異業種/新規参入、一部で見られる国を挙げてのEVシフトも大きな周辺変化だ。
こうした状況を大村氏は「誰が生き残るか分からない。まだまだ勢力図は変わるはず」と評する。
しかし、同時に「日本の技術、(Renesas autonomyの)コンセプトを大切にした上で、ソリューションとして打ち出していく。半導体のライバルは多いと思うが、その中で存在感を出していきたい」と意気込みを語る。その存在感を発揮する場所として狙うのは、自動運転レベル2~3を装備した車両だ。
自動運転というと、運転手の関与なしでもさまざまな状況での自動運転が行われる完全自動運転(レベル4)が注目されがちである。しかし、搭載車両の数で言えばステアリング操作や加減速などといった複数の運転動作を組み合わせて支援する「レベル2」や、高速道路のみ自動車が運転を代行するといった限定条件下の自動運転を実現する「レベル3」の方が多いだろうことをは容易に想像できる。矢野経済研究所の調査では、レベル2機能の搭載車は2020年に500万台、2025年に2300万台を越えると予測している。
自動運転レベル2の車両であれば既に搭載車両が販売されていることからも、既存技術にて対応可能であり、半導体ベンダーとしてはより多くの自動車メーカーやサプライヤーでの採用を目指す段階にある。ルネサスはここに自信を持っており、多くの領域で2022年のシェア30%、インフォテイメントやメータークラスタの分野では2022年のシェア50%を目標に据える。
「レベル4向けに開発された技術が熟成され、ルネサスの部品を使ってレベル2~3の機能として実車へ実装される流れが理想的だ。私たちにとってはレベル2~3が主戦場であり、そこにルネサス製品が入っていく世界を実現できればよいと考えている」(大村氏)
車載半導体という分野には、IntelやNVIDIAなどこれまで車載向けを主としてこなかった企業も参入しており、両社は高性能FPGAやCPU、GPUを生かした、高いコンピューティングパワーを必要とする自動運転技術を指向している。しかし、ルネサスはこちらの方向を目指さない。
大村氏は「IntelやNVIDIAが取り組む方向を、積極的に目指す意志はない。どちらかといえば、運転者の感情や状態を読み取る『感情エンジン』のような、運転手の安全性を高める方向を目指したいと考えている」と方向性を述べ、“自動運転”という世界的な潮流から果実を手にする方策を示した。
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