Intel Go
日本国内の自動運転へ「積極的に取り組む」、インテルの持ち札
インテルは「自社半導体をどう使ってもらうか」という用途提案を強めており、自動運転もその有力な範囲の1つである。日本国内の自動運転について「積極的に取り組む」という同社の持ち札とはなにか。
2017年1月に行われた「CES 2017」にて、最高経営責任者がVRや自動運転、5Gネットワークへの取り組みをアピールしたIntel。ムーアの法則に沿ったコンピューティングパワーの増大を前面に押し出すのではなく、自社の半導体をどう使ってもらうかという用途提案型にスタンスを変えてから間もなく半年を迎えるが、最も熱い領域の1つである自動運転については国内外ともに積極的な投資を継続する考えだ。
インテル社長の江田麻希子氏はかねてより同社の方向性について「データにまつわる全てに関わる“データカンパニー”になりたい」と述べており、具体的な注力分野としては「自動運転」「AI」「IoT」「5G」「VR/e-スポーツ」を挙げている。自動運転については、単純なECUの能力アップだけでは実現せず、分散型から統合型へのアーキテクチャ変化も伴うとしており、同様の変化をコンピューティング分野で経験した自社の知見が、自動運転技術の発展と実現に寄与するだろうと自信を見せる。
インテルの「具体的」な自動運転への取り組み
自動運転への具体的な取り組みについて、Intelは2016年冬に事業本部の設立と、今後2年間で2億500万米ドルの投資を決定している。2017年に入ってからは自動運転プラットフォーム「Intel GO」の発表、BMWおよびコンピュータビジョンのMoblieye(Moblieyeは後に買収して傘下にしている)との自動運転実験、デジタル地図や位置情報サービスを手掛ける「HERE」への出資など、幅広い分野で動きを見せている。
これら一連の動きは自動運転が車載ECUだけではなく、データを処理をするためのクラウド、車両とクラウドをつなぐ高速回線、それらをつなぐシステムインテグレーションも必要になるという意向を示したものである。現在発表されているのは諸外国の動きが主であるが、日本国内での取り組みについても執行役員 Automotive担当 大野誠氏は「積極的に行っている」と日系メーカーとの協業もほのめかす。
自動運転プラットフォーム「Intel GO」は、自動運転システムを構成する「車両」「ネットワーク」「クラウド」という3つの要素に対して製品とサービスを展開するものであり、いずれの要素についてもCPUとFPGAの双方を手掛ける強みが発揮できるとする。
特にFPGAについては物理的な回路構成の柔軟性に起因する演算処理の最適化や、その最適化による高い電力効率などもあり、自動車ではセンサーフュージョン、5Gではベースステーション送信の補正、データセンターでのマシンラーニングなどの用途で需要の拡大が見込まれる。
加えてFPGAとXeonなどIAアーキテクチャのプロセッサを組み合わせたソリューションについては同社の強みと呼べるものであり、「高性能なCPUとFPGAを一気通貫で提供できる唯一のメーカー」(日本アルテラ 代表取締役社長の和島正幸氏)と他社への優位性があると協調する。
このFPGA+CPUは自動運転車の車両側における課題の解決にも寄与するという。和島氏は自動運転車の課題として「演算能力と電力効率」「リアルタイム処理」「安全性とセキュリティ」の3点を挙げるが、XEON/ATOMとArria10 GXを組み合わせたIntel GOなら、この3つの全てを満たすことができると述べる。なお、Arria10 GXについては車載用途として利用してもらうべく、AEC-Q100を取得中であり、ISO26262についての準拠予定であることが和島氏から紹介された。
車載エレクトロニクス製品においてインテルは後発であるが、「ここ10年あまりの取り組みで、インフォテインメント領域を中心に30車種以上で採用された」(同社)と近年は採用実績を積み上げている。こうした車載ビジネスの売上など数字は開示されてないが、「(車載は)既にビジネスとして動いている。データセンター、車載、ネットワークのいずれもパイが大きくなって成長するイメージを持っている」(江田氏)と期待は大きく、近年積み上げた実績をもとに、自動運転車という“走るデータセンター”へも積極的な攻勢をかける。
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