Autodesk University Japan 2017/不二精機|事例
業界トップのおにぎり成形機メーカーが取り組んだ“3D CAD推進”(1/3 ページ)
食品加工機械メーカーの不二精機は、おにぎり成形機で業界トップシェアを誇る。同社では、年間約10機種の新規開発を行うとともに、既存機種のカスタマイズにおいても約30機種を手掛けている。開発型の企業である同社にとって開発効率の向上は重要な課題である。そこで業務プロセスを変革すべく、2D CADから3D CADへの移行を決断。2001年から行ってきた同社の3D CAD推進の取り組みを紹介する。
食品加工機械メーカー不二精機の3D CAD推進
コンビニエンスストアやスーパーマーケットで目にする“おにぎり”を成形する、おにぎりマシン(おにぎり成形機)で業界トップシェアを誇る不二精機。同社のおにぎり成形機で作られるおにぎりの数は、年間で約90.3億個に上るという。
同社は、1962年に設立された食品加工機械メーカーである。まんじゅうやおはぎの自動成形機(包あん機)メーカーとして誕生し、その技術力を生かし、日本で最初におにぎりの自動成形機を生み出した会社として知られている。
現在、おにぎりの他、すし、飯盛り付け、製麺といったさまざまな食品加工機械をラインアップ。年間で約10機種の新規開発を行うとともに、既存機種のカスタマイズにおいては約30機種を手掛けているという。
食品加工機械メーカーとして歴史のある同社だが、3D CAD導入への取り組みは比較的早く、2001年から行っているそうだ。同社は開発型の企業であり、常に新製品を市場に投入し、それを企業の成長(売り上げ、シェア拡大)につなげていかなければならない。そのためには、さらなる効率化が求められる。そこで、当時使用していた2D CADから3D CADへと移行する“3D CAD推進”をスタートさせたのだ。
この3D CAD導入の取り組みに長年関わってきたのが、同社 開発設計部 開発室 課長代理の前田拓雄氏である。2次元から3次元への移行はスムーズに行えたのか? 3D CAD選定はどのように行ったのか? そして立ち上げをどのように行ったのか? オートデスク主催の「Autodesk University Japan 2017」(2017年9月21~22日)に登壇した前田氏の講演「開発設計部門の機動力アップ、Inventor/Vaultによる生産性改革」を基に、同社の3D CAD推進の取り組みを紹介する。
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おにぎりの型だけで約1000種類! 多岐にわたる開発設計部の役割
ご存じの通り、おにぎりには、三角、丸、俵型などさまざまな形状がある。これらは顧客(コンビニエンスストアやスーパーなど)ごと、商品ごとに異なり、形状だけでなく、寸法もコンマ単位で指定されるという。そのため、「顧客、商品ごとにおにぎりの成形型の作図が必要となる。これまで作成したおにぎりの製品図は約1000種類を超えている」と前田氏は話す。
おにぎり成形機に限らず、同社が手掛ける食品加工機械の多くは、食品を取り扱うため、工具を使わずに部品を取り外して洗浄できるような作りになっているという。また、同じ機械をベースに別の加工ができるようバリエーション展開を行ったり、おにぎりの型のように一部のパーツを変えることで形状の異なる食品加工に対応したりするなど、多様化する顧客要求に柔軟かつ迅速に対応できるよう、設計上の工夫が各所に施されている。
前田氏が所属する開発設計部の業務は、こうした設計に関わる中心的組織であるが、その業務は多岐にわたる。顧客や代理店との打ち合わせを終えた営業から、仕様や見積もり依頼が開発設計部に回ってくる。仕様が確定すると今度は機械出荷指示書が営業から出され、それに対して開発設計部は提出用図面や明細などを準備し、工場に流す。そして、工場の製造部と加工データのやりとりを行ったり、組み立て手順書を作成する生産管理グループと組み立て図のデータをやりとりしたりする。実際に組み立てが始まると、今度はその応援や確認、品質管理のサポートなども発生。納品時には、営業とともに設置の応援も行うという。「販売から製造、設置に至る全てのプロセスに、開発設計部の人員とデータが広く携わっている」(前田氏)。
開発設計部は大型機のグループと小型機のグループの2つに分けられ、3D CAD推進が始まる2001年までは、日立の2D CAD「HICAD/DRAFT」が設計業務に用いられていた。「当時、PCのOSもUNIXだったり、Windows 95やWindows NTだったりと混在していた。また設計業務も担当者それぞれのやり方で行われており、本人しか理解できないような図面も存在していた」と前田氏は振り返る。
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導入事例(メカ設計)
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