IoT時代の組み込み系ソフトウェア品質(2)
組み込みソフトウェア品質の「特異性」と付き合い方(5/7 ページ)
3. 品質で苦労する
私たちは何のために品質を求め、品質を追っているのか。品質を求めるにはどんな苦労が待ち受けているのか。苦労の向こう側には何があるのか。
3.1 ソフトウェア品質は保証できない
これまでに見てきたように、ソフトウェア品質には多くの特性があり、それぞれは複雑に関係している。特性間の関係には補完関係もあるが、相互に負の相関を持つ特性や相いれない特性もある。このときは特性間でトレードオフして全体の品質バランスを考える必要がある。人間関係と同じくらい面倒なものである。昼ドラの三角関係がかわいくみえる。
開発現場では、開発コストが大前提として存在する。品質を作りこむために無尽蔵のお金を掛けることはできない。製品やシステムの制約の下に、品質バランスを考え、コストを考え、品質を作りこむ。
つまり前節で紹介した全ての品質特性に目を奪われるのではなく、製品ごとあるいはシステムごとで、どのように品質のバランスを取るか、どこに注目するか(逆にどこを見捨てるか)を決めなければならない。品質を全方面的に保証するのではなく、メリハリの効いた品質を保証する。これしかできない。
3.2 ソフトウェア品質の向こう側
ソフトウェア品質の向こう側には何があるのだろうか。ソフトウェア品質を作りこむ活動の向こう側には何が待ち受けているのだろうか。何を目指して品質活動をするのだろうか。日々の品質活動をするときに、これらを問い直してみたい。
品質を作りこむと、その向こう側にはその製品やシステムに対する誇りがある。エンジニアとしての誇りがある。このように品質の向こう側には、誇りと達成感、自信がある。逆に品質が悪いと、何もかもが嫌になる。
しかし品質とはバランスである。バグがどんなにあっても使いやすいシステムは素晴らしい。実行が遅くても結果に満足できるのであれば成功である。逆も真で、バグゼロであっても使いにくいシステムは駄目であり、実行が速くても結果に満足できなければ、本末転倒である。次回からは品質活動について、開発現場目線で細かく見ていくが、ここで見てきた品質の向こう側を忘れないでほしい。
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IoT時代の組み込み系ソフトウェア品質
組み込みソフトウェアにおける「品質」とは、一体、何者であろうか。多用されている言葉であるがその実態はようとしてしれない。この連載ではIoT時代の組み込み系ソフトウェアの品質」をテーマに開発現場の目線で見ていく。出演者は情報系に籍を置く大学1年生の紅美 香美(くみ こうみ)と品質 寛容(しなしち ひろい)。
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