技術者が知っておきたい失敗しない転職活動のコツ(2)
職務経歴書は自分のキャリアを映し出す鏡――応募書類の作り方でこんなに変わる(1/2 ページ)
あなたにとって「転職の成功」とは何か? その目的を明確にし、ぶれずに活動できるかが転職の明暗を分ける。連載第2回では、「失敗しない応募書類の作成」について取り上げる。
「ポチッ」として終わりですか?
インターネットが普及したことで、欲しいモノや情報をいつでも手軽に入手できるようになりました。就職活動も同じことがいえます。
転職サイトをのぞけば、どのような企業がどのようなポジションを募集しているかを簡単に見つけることができ、必要最小限の情報登録を済ませ、「ポチッ」とするだけで応募できるサービスも存在します。最近では、エントリーシートを入力することさえ「手間が掛かって面倒だ」と感じる人が増えているそうなので、このようなサービスが利用されているのもうなずけます。
しかし、新しいスタートを切るための転職、ましてや技術者の転職活動を、そのような“インスタント的な行為”で簡単に完結させてしまってよいのでしょうか。
応募書類は重要書類
企業に応募する際に必要な書類は、基本的に「履歴書」と「職務経歴書」の2つです。これらの書類作成は、大きく分けて2つの意味で重要です。1つは、個人情報が記載されているという意味での重要性、もう1つはご自身の技術者としての実録をまとめたものという意味での重要性です。
転職活動を成功させる上で「経歴を振り返る」ことが大切であり、この振り返りをするツールこそ、応募書類の1つである職務経歴書なのです。書類の作成は、とても手間の掛かる作業であると同時に、重要性も高いということを認識しましょう。
「職務経歴書に書くことがない」という大きな勘違い
面談に来られた技術者の方に、「職務経歴書に書くことがないのですが、私の場合は何を書けばよいのでしょうか」と相談されることがあります。職務経歴書に書くような【大したこと】をやっていない、というのです。では【大したこと】とはどのようなことかと聞いてみると、社内表彰されたことやプロジェクトをけん引し成功させたことなどの答えが返ってきます。もちろん、そのような実績があれば書くべきですが、特筆すべきことではなくても、日ごろご自身がやってきたこと、できることを“見える化”したものが職務経歴書なのですから、「何もないから書けない」というのは大きな勘違いです。
実際、「職務経歴書に書くことがない」と主張する技術者の方の内容はとても抽象的で、簡潔であるケースが多く見受けられます。例えば、自動車サプライヤーに勤務されている設計技術者の方の場合、「社名を見てもらえば取り扱っている製品は分かるだろう」と担当製品を具体的に記載していなかったり、「○年間設計業務に従事」の記載のみだったりする方がいます。用意されている書式に最低限の情報を入力しているだけなので、10年近く勤務されている方でもA4用紙1枚に多くの余白を残した状態の職務経歴書で応募されている方もいます。企業側が、そのような職務経歴書を額面通りに受け取れば、「10年も勤務しているのにやってきたことはこれだけなのか」と解釈されてしまいます。
書式の枠組みにとらわれることなく、どのようなことでも構わないので、まずは日ごろの業務を書き出すことから始めましょう。体裁を整えるのは後からでも十分です。
希望職種で選考されない技術者の事例
新卒で重機メーカーに入社した設計技術者の方の話です。入社して間もなく一製品を任され、顧客との打ち合わせから設計、試作、納品までの全工程を担当していました。顧客の要件を満たすにはどう対策すればよいのか、そのためにテスト環境を作り、試行錯誤して製品化した実績もありました。
他の企業での仕事の進め方とご自身の進め方を比較する機会もないため、1人で全工程を担当することは、普通のことだと思っていたそうです。中小規模の企業で、ニッチな分野で業績を伸ばしていたのですが、ここ数年は低迷しており、早期退職を募るようになったため転職活動を始めていました。
筆者のところへ相談に来たときには、相当数の企業へ応募し不採用となっている状況で、「設計技術職に応募しても書類選考で不合格になる。自分の経歴ではどのような職種で選考が進むのか分からない」とのことでした。応募の際に使用していた職務経歴書を見せてもらうと、業務内容の記載は数行程度と簡素で、用紙の余白を埋めるように長文の自己PR文が記載されていました。
そこで、職務経験についてインタビューしたところ、前述のように新人の頃から多岐にわたる経験を当たり前のようにこなしていた技術者だということが分かりました。それでもご自身は、【大したこと】はしていないから職務経歴書に書くことがないと思っていたわけです。企業側に「その程度のことしか経験していない人」と評価されても仕方ないような内容の書類で応募を繰り返していたため、不採用続きだったのです。
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技術者が知っておきたい失敗しない転職活動のコツ
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