TechFactory通信 編集後記
ソニーの箱型ロボットが子どもの心に火を付ける
主役はロボットではなく、子どもたちが作ったおもちゃ。
ソニーのロボット技術とエンターテインメント技術の融合により生まれたトイ・プラットフォーム「toio(トイオ)」をご存じでしょうか? 2017年6月に開催された「東京おもちゃショー2017」で発表され話題になった体験型のロボット玩具です。
「おもちゃの世界に入り込んだかのような“体験”を子どもたちに提供したい」という思いを持った、おもちゃ好きのエンジニアたちの放課後活動から生まれたそうで、そのアイデアを長年温めてきたのが、toioのプロジェクトリーダーを務める田中章愛氏です。
実は、2017年9月5~29日に開催予定の「ITmedia Virtual EXPO 2017」の「メカ設計 EXPO 2017 秋」にて、田中氏の講演「エンジニアたちの放課後活動から生まれたソニー『toio』開発秘話」をお届けするのですが、先日撮影を終えたばかりなので、どんなお話を伺ったのか簡単にご紹介したいと思います(なお、講演の模様は2017年8月24日公開の記事でも紹介いたします)。
ソニーの箱型ロボットが子どもの心に火を付ける
toioは、本体の「toio コンソール」、絶対位置センサーと高性能モーターを内蔵したロボット「toioコア キューブ」(2個)、そしてtoioコア キューブを操作するコントローラー「toio リング」(2個)で構成されています。toio コンソールには昔の家庭用ゲーム機のようにカートリッジを挿すスロットが設けられており、“遊びのプログラム”が格納された「toio カートリッジ」を交換することで、いろいろな遊びを体験することができます。
実際に動いている様子やテクノロジー的な詳細については、公式サイトやWebのニュース記事などでご覧いただけると思いますので、ここではシンプルながら、まるで生き物のように愛らしく動くtoioコア キューブの特長について取り上げます。
田中氏は長年ロボットの研究に従事しており、「ソニーらしい製品を作りたい」という思いから、組み立てられるモジュール式のおもちゃのアイデアを思い付いたそうです。これを現在toioのUX開発などを手掛けるアンドレ・アレクシー氏に、雑談レベルで話したところ、「それはエンジニアの視点で考えたアイデアであり、もっとユーザー(子ども)の視点で考えよう」と諭されたのだといいます。そこで、エンジニア的に作りやすい、面白いという発想を捨て、とことんおもちゃで遊ぶ子どもの気持ちになって、今のtoioのカタチを突き詰めていきました。
toioコア キューブは、文字通り直方体の箱型の真っ白な小さなロボット。ソニーといえば「QRIO」や「AIBO」などのロボットが有名ですが、手足の付いた未来を感じさせるデザインやペットのような愛らしいデザインの方が、子どもが喜びそうなものです。なぜ、こんなにシンプルなのでしょうか? 田中氏は「主役は子どもたちが作ったおもちゃなんですよ」といいます。
シンプルなデザインのtoioコア キューブの中で唯一目立つポイントといえば、天面にある4つの突起です。実はここにLEGOブロックをはめることができ、子どもが自分で考えて作ったLEGOを載せてtoioで遊べるのです。子どもが作ったLEGOが主役になれるよう、toioの外形は徹底的にシンプルに、黒子に徹するデザインにしたといいます(実際は真っ白ですが)。ちなみに、LEGO以外にも紙で作った工作など、子どもの自由な発想で考えたものを載せることもでき、toio カートリッジで提供される各タイトルとともに楽しむことができます。
「作る」と「遊ぶ」を体験しながら、もっと楽しいものを「ひらめく」という“創意工夫”の原体験を子どもたちに提供するのがtoioだといいます。撮影終了後、実際に遊ばせてもらいましたが、おもちゃ遊びの延長線上にある、どこか懐かしい楽しさを感じることができました。この感覚は、TVやディスプレイ画面に向かって遊ぶゲーム機のそれとは明らかに違うものでした。
ご興味のある方は、ぜひメカ設計 EXPO 2017 秋で配信される「エンジニアたちの放課後活動から生まれたソニー『toio』開発秘話」をご覧ください。
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TechFactory通信 編集後記
「モノづくり総合版 TechFactory通信」に掲載された、TechFactory担当者による編集後記の転載記事一覧です。
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