TechFactory通信 編集後記
3Dプリンタ製シューズを気軽に買える日も近い!?
2020年の東京オリンピック・パラリンピックで一気に花開く?
「アディダス」「ニューバランス」「ナイキ」「アンダーアーマー」――。
皆さんもよくご存じのスポーツ用品ブランドであるこの4社に共通するのが、3Dプリンティング技術を活用したフットウェア(シューズ)の開発です。数年前から各社によるこうした取り組みが話題になっていましたが、先日開催された「第28回 設計・製造ソリューション展(DMS2017)」(会期:2017年6月21~23日)の会場でも、3Dプリントシューズに関する展示や取り組みを見聞きすることができました。
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3Dプリンタ製シューズを気軽に買える日も近い!?
ディーメックのブースに出展した3Dプリンタベンチャーの米Carbonは、独自の「CLIP(Continuous Liquid Interface Production)」技術により、高速かつ美しい仕上がりを両立させた造形を可能にしています。2017年4月にCarbonはアディダスと提携し、同技術を用いて3Dプリントされたミッドソールを搭載するシューズ「Futurecraft 4D」を、2018年末までに10万足生産するといいます。ミッドソールは入り組んだ格子形状で造形されており、非常に有機的なデザインをしています。Carbonの3Dプリンティング技術は、量産にも活用できるレベルだといわれているので期待も高まります(関連記事:アディダスも採用を決めた量産型3Dプリンティング技術、日本で披露)。
オートデスクのブースではアンダーアーマーの3Dプリントシューズ「UA Architech」が展示されていました(2016年3月に発表されたもの)。こちらもミッドソール(ヒール側)部分を3Dプリンティング技術で製造しており、形状的には前述のFuturecraft 4Dと同様に格子形状になっています。この有機的な格子形状をデザインするのに活用されたのが、オートデスクの「Within」です。Withinは、シューズとして必要な要件(耐久性、柔軟性、重量など)を基に、コンピュータが最適な形状、構造を導き出してくれるジェネレーティブデザインを実現するツールで、従来の設計、製造の制約に捉われない新しい発想のデザインを導き出すことができます。ちなみに、ジェネレーティブデザインは3Dプリンティング技術の向上とともにここ数年、CADベンダー各社が積極的に取り組んでおり、商用CADを中心にトポロジー最適化の機能が搭載され始めています(関連記事:トポロジー最適化した形状をそのままCAD上で編集できる「Solid Edge」の最新版)。
そして、DMS2017の直前に、ニューバランスとの提携が発表された米Formlabsもいくつかのブースに間借りする形で出展していました。ニューバランスといえば、布のように丸めた状態で3Dプリンタ製ドレスを製造し話題となったNervous Systemと、3Dプリンタ大手の3D Systemsとともに、3Dプリンタ製ミッドソールを搭載したシューズを開発して話題となっていました。今回、ニューバランスは3Dプリントシステムを開発するFormlabsと業務提携をし、米国マサチューセッツ州を拠点とするフットウェアの製造に取り組むとしています。
3Dプリンタを活用したシューズの可能性は、機能性やデザイン性の向上、材料コストの削減だけではなく、マスカスタマイゼーションにあると考えられます。アスリートのパフォーマンスを最大限に引き出す究極の一品モノの開発は、スポーツ業界を中心にこれまでも行われてきたことかと思いますが、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて3Dプリンタ製シューズが一気に花開くのではないでしょうか。
3Dプリンティング技術の発展も目まぐるしく、2020年に向けて3Dプリンタ材料市場も拡大傾向にあるといいます(関連記事:「3Dプリンタ材料」の世界市場規模は、2020年に2000億円超へ)。選ばれたアスリートだけではなく、自分の足にぴったりとフィットした、デザインや素材も自由に選べる3Dプリンタ製シューズを個人で気軽に購入できる日がそう遠くない時期に訪れることでしょう。
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