TechFactory 人気記事TOP10【2017年5月版】
「ドイツからの黒船」はHUD一般化の引き金になるか
コンテンツランキングTOP10、2017年5月は独メーカーによる「デミオ」などへのHUD供給や予断を許さない東芝の状況分析、マイコンメーカーによるLinux推しの理由など、バラエティ豊かな記事が人気を集めました。
TechFactory 2017年5月の人気記事ランキング
今回は、2017年5月1~31日までの期間に掲載されたTechFactoryオリジナル記事コンテンツの中から、人気記事ランキングTOP10を紹介します(過去のランキングはコチラ)。
2017年5月の人気記事ランキングTOP10
※TechFactoryに掲載されたオリジナル記事コンテンツの2017年5月PVのTOP10ランキングとなります。
海外メーカーからのHUD納入は普及の引き金になるか
第1位はドイツに本拠を構える世界的な部品メーカー、コンチネンタルによるマツダ「デミオ」「CX-3」「CX-5」向けコンバイナー式HUD(ヘッドアップディスプレイ)納入の記事でした。
コンチネンタルが日本の自動車メーカー向けに同種製品を提供するのは初めてだという「コンバイナー式HUD」ですが、これはコンバイナーと呼ばれる半透明のプラスチックディスクに情報を投影するタイプのHUDを指します。
コンバイナーを利用するHUDはフロントガラスに投影するタイプに比べ、小型に設計できる特長を持ちます。コンバイナー式HUDは日本の自動車部品サプライヤーとしてはパイオニアが2012年に市販製品として販売を開始して以来、新車用オプションから後付け用まで広く展開されており、安全運転に貢献する部品として注目されています。
運転や車両に関する情報を手元ではなく眼前に投影することで安全性を高めるという発想はそう珍しいものではなく、HUDについても高級車用のオプションとしては以前から用意されていました。ですが、その価格は数十万円と高価で、小型車や低価格車にはそもそもオプションの設定もほぼありませんでした。
その流れを変えたのが、前述のパイオニアでしょう。2012年にカーナビゲーションシステム「サイバーナビ」のオプションとしてHUDユニットを設定しました。このHUDユニットはドライバーの約3m前方に37インチディスプレイ相当の大きさで情報を表示するもので、価格は約10万円と従来品よりはるかに安価でした。
その後にはJVCケンウッドが「彩速ナビ」にHUDユニットをセットにした製品を発表(2013年7月)、GARMINがスマホナビアプリと連動するHUDを発表(こちらも2013年7月)するなど、ナビシステムの延長線に位置する表示デバイスとして徐々に市民権を得てきました。そして現在では多くの自動車メーカーが一般的なオプションとして用意するまでになっています。
久しぶりに自動車を運転すると感じますが、「ナビからの音声案内に気をとられて、うっかりインパネのナビ画面に目をやってしまう」「スピードメーターや燃料計を見る」などといった運転中の視線移動は、それに必要性があり一瞬であってもヒヤリハットを招きかねません。さすがにHUDが標準化されるべきだとまでは思いませんが、搭載されれば安全運転に寄与する部品であることは違いないので、より一層の普及を願います。
先の見えない東芝、回復の兆しを見せるルネサス
第2位は東芝について、2017年5月中旬の状況をまとめた記事がランクインしました。執筆時点から約1カ月が経過していますが、東芝が上場企業として存続するため必要な「正式な手続きを得た決算」「債務超過を解消するためのメモリ事業売却」という2要素はいずれもまだ満たされていません。
各種報道では応札した企業(組織)間の合流や、四日市工場を共同運営してきたWestern Digitalの動向が伝えられていますが、いずれにしてもメモリ技術の海外流出という要素もからむためかいまだ出口は見えておらず、2017年6月13日の時点で、正式な売却発表もなされていません。
対照的に見えてしまうのがルネサス エレクトロニクスです。経営危機に陥ったという意味では同じですが、2017年5月18日に産業革新機構などの大株主が所有する株式の売却を発表しています。売り出し数は発行済み株式の最大25%に相当する数が見込まれ、実際、6月12日には4億2243万株が市場へ売却されました。
筆頭株主である産業革新機構の出資比率は過半出資を維持しており、この面ではまだ国の監視下ともいえますが、大口の売り出しは「投資家層の拡大や流動性の向上」(ルネサス)を狙うまでに企業体力が回復している査証ともいえましょう。
産業機器とLinuxの「蜜月」
第3位はそのルネサス エレクトロニクスへの取材記事がランクインしました。テーマは「産業機器とLinuxとルネサス」です。
ルネサスといえば「マイコン」であり、マイコンといえば「RTOS」が定番でしたが、マイコンであっても処理能力向上が進み、組み込みLinuxのような(RTOSより重い)OSの駆動に十分なパフォーマンスを持つことも珍しくありませんし、これまでならRTOSが選択されていた産業機器のような領域でも、柔軟なネットワーク性能やGUIといったリッチOSが得意とする機能が求められています。
この状況に対して「マイコンとLinux」ならばピッタリ当てはまるのですが、これまでRTOSがメインであった企業が急にLinuxへシフトするには無理があります。
市場の要望としては高まっているといいますが、ルネサスは自身も苦労した経験を生かし、産業界へのLinux導入を後押する意向です。「将来的には(ルネサスのマイコンとLinuxで)手早くPoCを作成できるようなパッケージも提供する予定」という、ルネサスの“Linux推し”、詳細はこちらからどうぞ。
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