IoTとAI、ビッグデータ時代のソフトウェアテスト(8)
ソフトウェアテストの施策と運用(前編)――IoT時代を生き抜くテスト施策(4/6 ページ)
新時代ソフトウェアテスト施策の肝
前回では新しい時代のソフトウェアテストに求められるもの、テストの爆発に対する防護服と拡張や変更に対する対応、テストの妥当性に対する神の判断を見てきた(そして不幸なことに銀の弾丸は存在しなかった)。
そこで仕方なく従来手法を組み合わせて、うまくバランスを取ることを紹介した。このテストの組み合わせとバランスで、IoTとAI、ビッグデータ時代のテストを行うときの指針「だけ」を示した。そこで今回は具体的に、どのような施策をとるべきなのかを見ていくことにする。
テストと要求の関係
IoTやAI、ビッグデータ時代のソフトウェアテストに求められるのは柔軟性と拡張性であり、その結果、テストケース数が爆発的な個数になるのを防ぐ防護服も必要となる。要求分析においても、このテストに求められるものを考慮していく必要がある。
新時代のシステムに対する要求は不確定かつ不安定であり、その結果、要求分析の作業者は不安になり、不信になる。別のいい言い方をすれば、要求は多種多様であり、縦横無尽であり、要求には果てしない夢と希望を詰め込むことができる。もちろん、これは要求を出す側だけの感想であるが。
このような極悪非道な要求に対しても、エンジニアはテストケースを作らなければならない。アジャイルのときのようにテストケースを神聖化して不可侵にすることはもはやできない。テストケースは常に不確定であり、不安定であるということを頭にたたき込まないといけない。そして一方では不確定な要求に対する回帰テストのコストも気になる。回帰テストはなるべく固定化することで、自動化してコストを極限まで下げたい。ここまでが前回までの言い分である。今回はこれをどのように具体的に実施するかである。
テストでは要求に対するテストケースの対応付け(トラッキング)が必須になる。要求とテストケースは同じ現象に対する別の観点であり、これらが別々にならないように、対応づけして、要求とテストを同時に一緒に管理する。
しかし不確定な要求に対応付けられたテストケースは不確定になり、このままでは使えない。また要求は抽象的であり、テストケースは具象的である。テストケースは要求の具体例であり、解釈の一例である。また要求は全体的であり、テストケースは部分的である。テストケースを全部集めたとしても、要求を復元することはできない。このように、要求とテストケースではその情報の質と量が違うので、相互に交換できない。これができるのは多くのこと(周辺情報)を知っている人間だけである。
これらから単なる対応付けだけでは不足で、具象化と抽象化の途中経過が必要になることが分かる。どのように要求からテストケースを作成したのかの具象化方針と、集めたテストケースから要求を確定化するときの抽象化方針が必要になる。これをモデル図で表現することが望ましいが、実際の開発現場では日本語による説明が多い。
つまり、要求とテストケースの「対応付け」と「対応付け方針の見える化」が、比較的簡単に実施できる施策である。これらの関係を以下の図に示す。
とあるテスト現場より(3)
A:「IoTやAIの要求分析やテストって、わがままばかりで面倒」
B:「面倒だから、金になるんだよ。簡単ならお金にならない」
A:「簡単なものを面倒そうに言うのがコツなんですね」
B:「それはトップシークレットだ」
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IoTとAI、ビッグデータ時代のソフトウェアテスト
言うまでもなくソフトウェアテストは重要だが、IoTやAIなどの新しい概念によってソフトウェア自体の在り方が変わりつつある中、旧来からのテストを踏襲するだけでは成果は得られない。新時代のソフトウェアテストについて、考察する。
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