モノづくり技術者の転職ゲンバから(4)
企業がキャリア採用に求めるものとは? ちょっとリアルなお話【人物重視編】(2/2 ページ)
人物的側面による世代別選考イメージとポイント
それでは、世代別の選考イメージとポイントを紹介していきます。
若手技術者の選考
20代の技術者のケースでは、未経験からのチャレンジ、異業界・異職種へのチャレンジ、ブランクからの再チャレンジ、数年の経験を直接生かす選択、というようにさまざまな転職活動があります。いずれの選択にせよ、共通するポイントは「意欲と覚悟」をしっかりと伝えられるかどうかです。
また、より人物的な面でいうと「素直さ」が一番重要視される点だといえます。技術などを問われた際、中途半端に背伸びをするよりも「分かりません」と素直にいえることが大切です。実際、「素直な人は成長できる」という言葉をいろいろな人事担当者から聞いたことがあります。
中堅技術者の選考
次に、30代の技術者のケースではどうでしょうか。技術経験も5~10年以上になっているはずですし、「今までの経験を生かして転職をしたい」という方が多くなってきます。当然、企業側も同じ目線で「いかに経験を生かせるか」を考えた採用を希望することが多くなります。
ここでは30代=中堅としていますが、業界や企業によってその捉え方も異なります。実際、「40歳だってまだまだ若手ですよ」という企業もあります。こうした企業の場合、「40代ポテンシャル採用」ということもあり得ます。これは技術者ならではかもしれませんね。
ただ人物的側面では、「自分の経験してきたキャリアに自信を持っているか?」という点が重要視される傾向にあります。日本人の技術者ですと、謙虚過ぎる人も結構います。そういう方の場合、「私は大したことないんですけど……」という意図のことを面接で言いがちです。ですが、「大したことない人」をわざわざ採用したいと思う企業はありません。
そのため面接に限っては、この謙虚過ぎる姿勢は危険です。第三者目線も使い、自身の実績や強みを存分に「語って」ください。自信を持ってこれまでの取り組みを語ることができれば、面接官も「仕事ができそうな人だな」という印象を持ってくれるはずです。実際、転職に成功している人たちは、自身の経験を「語れる」人たちがほとんどでした。
ベテラン技術者の選考
ベテラン技術者の場合、既に書類選考が通過しているのであれば、経験をとやかくいう必要はないでしょう。その先に求められるのは「提案力」です。経験を語れるだけでは足りません。面接で「提案できる」ことが求められます。つまり、“自分を採用する必要性”を面接官に納得させることです。面接官からの質問にただ答えるだけでは伝わりませんので、自身を売り込む提案をすることが大切です。
前述の通り、人物的側面では「適応力」「柔軟性」が重視されます。どんなに優秀なベテラン技術者でも、「会社に合わなそう」「一緒に働き辛そう」と思われたら選考もうまくいきません。この根幹にあるのは、「人間は歳とともに頑固になる」という考え方からです。やや極端ですが、ベテランになると「新しいものを受け入れられない」「新しい環境に適応できない」「他人に合わせられない」とまで思われることもあります。技術や経験は申し分なくても、適応力や柔軟性が欠如していると思われてしまうと、採用不可で終わってしまうかもしれません。
技術者の皆さんへ一言!!
ここまでお伝えした通り、企業が技術者の人物的側面に求めるものは、“年代ごとに異なる”ということがお分かりいただけたかと思います。
ただし、共通点もあります。それは「人物的相性」であり、「意欲と覚悟」です。
面接官の目線を知ることで、何を表現すべきか、何を伝えるべきかを理解いただけたかと思いますが、「自分を良く見せようと無理をする」ことだけは絶対に避けてください。その場だけ良く見せようとか、テクニックで何とかしようとしても、相手は人事のプロですから見抜かれてしまいます。
面接時の受け答えでは、普段からの仕事に対する姿勢、真面目さが出るわけですから、自身の人物的側面に自信がないのであれば、明日から仕事に対する姿勢を見直して、改善するように心掛けましょう。
次回はテーマを変えて、オリジナルマッチング転職の成功事例について紹介する予定です。お楽しみに! (次回に続く)
筆者プロフィル
日本アルテック株式会社 浦林 次郎(うらばやし じろう)
大学(電気工学科)卒業後は、大手技術派遣会社へ入社。技術職としてデジタルカメラのハードウェア開発などを経験。その後社内キャリアチェンジにより営業職となり、自社社員の派遣先開拓、担当技術者のキャリアサポートを行ってきた。その中で、産業カウンセラー資格を取得し、自身の仕事を見つめ直したときに、さまざまな経験の中でもキャリア支援に特化した仕事をしたいと感じ退職。自身の転職活動で多くの人材紹介会社と接したことで、学んできた『キャリアコンサルティング』と、世の中の『人材紹介ビジネス』との埋められないギャップを痛感し、自分たちの考えが実現できる『日本アルテック』で『本物のキャリアコンサルティング』を目指し日々精進中。
日本アルテック株式会社 https://www.altechjp.com/
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
モノづくり技術者の転職ゲンバから
転職を考えているエンジニアの皆さん! これからの転職活動に不安はないでしょうか? 本連載では“転職活動のリアルなお話”を交えながら、皆さんの今後のキャリアを考える上でのヒントを提示していきます。自身の転職、エンジニアとしてのキャリアビジョンを見つめ直すきっかけにご活用ください。
この記事の著者
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社 Green AI] 自動車業界には好機 脱炭素×コスト削減×現場改善を実現するエネルギー戦略 -
製品資料
[株式会社 Green AI] 脱炭素投資をすぐ回収したい 自動車業界にも有効なCO2削減アプローチ -
市場調査・トレンド
[スマートジャパン編集部] 「ペロブスカイト太陽電池」の普及戦略が公表 政府が目指すコスト・導入量のロードマップを解説 -
市場調査・トレンド
[スマートジャパン編集部] 導入が加速する再エネ・系統向け蓄電システム コスト・収益性の現状分析 -
技術文書・技術解説
[スマートジャパン編集部] いまさら聞けない「ペロブスカイト太陽電池」の基礎知識と政策動向
関連記事
こんなメディアも見られています
TechFactoryに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
特集
- マテリアルズ・インフォマティクスの動向調査
- 研究・開発職のデジタル活用調査
- 設計・解析業務におけるAI活用
- 3Dプリンタ利用動向調査
- CAD利用動向調査
- つながる工場の現状と課題
- 製造業におけるAI開発および活用の実態
- 設計・製造現場における品質管理
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
CAE解析をAIエージェントに任せてみた 人は何を担うのか
-
2
「見て覚えろ」が通じない時代 製造業の保全技術はどのように継承すればよい?
-
3
EE Times Japan×EDN Japan 統合電子版:製造現場にフィジカルAIをどう実装するか――電子版2026年9月号
-
4
スマート工場動向調査2026
-
5
はじめての化学工学まとめ(Part1)
-
6
QC活動の形骸化はどう防ぐ? 実効性のある業務へ転換する3つの解消策とは
-
7
自律走行搬送ロボット(AMR)の位置推定と自律走行はどこまで高精度化できる?
-
8
動き出したファナックの「フィジカルAI」
-
9
製造現場などを支える状態監視システム サンプリングの位相ずれを減らすには?
-
10
【読者調査結果】製造業の脱炭素動向調査2026
TechFactory SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechFactoryをフォロー